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初恋泥棒のホスト様  作者: 男鹿七海
12/20

侵食

 三条は帰宅し、一瀬から借りた服とズボンを洗濯機に入れ回す。

 適当にTシャツを手に取り袖を通す。

 冷蔵庫から缶ビールを一本取り出し、一気に半分を煽り、パソコンの電源を入れる。


「二日間描いてねぇから、どこまで描いたんだったかな…」


 右手でマウスを動かしながらデータを開く。


「あー…新キャラ描こうとして止まってたままか」


 原稿は八割方仕上がっており、それほど焦りはしないが、ペンを握る右手が動かない。パソコン上の方に貼られた、龍夜と零と快斗の絵を剥がし手元に置き見やる。

 取り敢えずペンを動かすも、新しいキャラクターではなく無意識に龍夜を描いてしまい消す。

 何度描いても龍夜になり、描く消すの繰り返し。


 そこで冷蔵庫から缶ビールとハイボールを数本取り出し、二本目のビールを一気に飲み干す。

 三条曰く、酒を飲むと集中できるらしい。

 酒を喉に送りつつ、描き進めるが、再び手が止まった。

 新しい男キャラと相手の絡むシーン――一瀬の行為と言葉と同じだった。


「!!!!!?えっ、あ…」


 昨夜の出来事が鮮明に脳内を過る。

 顔が紅潮し、右手からペンが床に滑り落ちる。心臓が早鐘を打つ。

 処理が追い付かず、ハイボール二本を開け飲み干す。


「他のページから仕上げよ…うん、それが良いって酒も言ってる」


 問題のページを飛ばし、残りのページを仕上げていく。

 残りの缶ビールとハイボールも空になり、空き缶が七本床に転がる。


 時計は八時過ぎを指していた。

 三条は欠伸をしながら何の気なしに保存を押す。

 ファイル名を気付かず書き換えていた。“ryuya”と。




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