彼女の家は白亜の豪邸。
「なんじゃこりゃぁあああ」
僕は、彼女の家の前に立っている。
目の前に広がるのは、視界に入りきれない程の豪邸。
僕は、開いた口が塞がらない。
これがあいつの家?!!
ありえねぇ!!
僕は、彼女の家を知ってる人に書いてもらった紙に目を落とす。
間違いない、この家だ。
でも納得いく気もする。
あの、(皆でいるときの)品の良さ、立ち居振る舞い。
あれだけ強いのも、自分を護るために,誰かから習ったのだろう。
「あの・・・」
振り向くと、白いヒゲを生やした初老の男が立っていた。
「どちら様で?」
「あ、えっと、西山和也です」
「あぁ、和也君だね!美夏お嬢様から、お聞きしておりますよ」
「はぁ・・・」
「お嬢様の、初めて出来た友だちだって、いつも・・・」
初めて出来た友だち・・・?
彼女には、たくさん友だちがいるのに・・・?
「じい!!」
声がした方を見る。
そこには、ネグリジェを着た彼女が居た。
「何してらっしゃいますか!!寝て居なさいとあれほど・・・」
「暇だから散歩しようと思ったの!いいでしょ、そんくらい」
「いけませんよ!まだ寝てて下さい!」
「やだよ〜」
僕はある事に気づいた。
『じい』の前では、ブリッコしてない。
家では、しないのかな。
まぁ、そうだよな。
したら疲れるもんな。
「それと、じい」
「はい、なんでございましょうか」
「余計な事いわなくていいから!」
「・・・かしこまりました」
彼女が、僕の方に向いた。
「カズ、お見舞いに来たの?心配してくれたんだ?」
彼女が、にんまり笑う。
「ちげぇええよ!!」