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最強彼女  作者: 草薙若葉
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窓から見えた美夏。

そんなこんなで無事に(?)夏休みが終った。


8月より少しマシになった陽光が窓から差し込んでいる四時間目の社会(歴史)の授業。


社会の先生が黒板を埋め尽くすほど書いているのに関わらず、僕のノートは真っ白だった。


居眠りしているわけでも、ケータイをいじっているわけでもない。





―――ずっと美夏を見ていた。



ここ3-3の教室から運動場が見える。


どうやら3-5の女子は持久走をやっているようだった。


その中にもちろん美夏もいる。


彼女は顔を紅潮させて、後頭部でくくった長い髪を揺らしていた。


息遣いや熱がここまで伝わってきそうなほど、彼女は頑張っていて少し胸が詰まった。



「――西山、きいとんのか、おい西山」


「あっ!はい」


「きいとらんかっただろ、立っとけ」


「はい・・・」


僕は席を立った。


気になって少し、窓を見る。


美夏は走り終えたとこだった。


クラスメートと笑顔を交わしている。


「西山!」


「はい」


「よそ見すんな、今度よそ見したら出て行ってもらうぞ」


「はい・・・」


「じゃあ、今の大阪城を建てたのは誰か答えてもらおうか・・・そうだな。南藤」


たしか、豊臣秀吉・・・だよな。


安土城が織田信長で江戸城が徳川家康なはず。


「大工さん」


南藤は胸をはって手を腰に当てて自信あり気に答えた。


確かにそうだけれども!


「不正解」


南藤がブーブー言っていたけど、先生は無視して次の人を当てた。


「じゃあ、千田」


「我輩」


・・・論外だな。


「・・・じゃあ、西山、当たったら座ってもいいぞ」


「豊臣秀吉・・・?」


「不正解」


えぇ?でも豊臣秀吉じゃ・・・。


「正解は、徳川家康だ。豊臣秀吉の建てたのは夏の陣で落城したんだ。覚えとけ」


この問題、美夏なら答えられたのかな。


結局、僕は美夏のことを考えていた。
















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