トラブル発生!
いよいよ、修学旅行当日である・・・。
僕は、けたたましくなる目覚まし時計を叩く様にしてとめて、むくっと起き上がった。
眠ぃ・・・。
「なんで朝の六時に集合なんだよ・・・」
文句を言いつつ、クローゼットを開ける僕。
ハンガーにかけてあるのは、学生服と私服だけだった。
いつもならば、体操服もかかっているのに。
「あれ?体操服は?!」
僕は、クローゼット中をさがした。
やべぇ!!!もう集合時間だ!
「和也〜?どしたの?」
「体操服がないんだ!」
「体操服なら母さんが洗っといたよ?」
「え?!乾いてる、それ?!!」
「ううん。今洗ったばっかだから」
「はぁあぁぁああ?!!!ちょ、それで修学旅行に行かなきゃなんねぇんだよ!」
「嘘っ、今から取り出してアイロンかけるからっ。和也はパンでも食べててっ!」
普段は洗濯とかしないくせに、なんでこんな時にっ!
僕がダイニングでパンを食べていると、父さんが新聞・・・ではなくは女の子のフィギュアを片手に話しかけて来た。
「和也よ!」
「ん?」
「これをもって行くのだ」
渡したのは持っていたフィギュアだった。
「いらねぇよ」
「いや、いる。おまもりだ。真凛ちゃんを父さんと思え!」
「思えるか!!」
「とりあえず、持っていくんだ!」
「えぇ〜・・・」
「いいな?」
「もう・・・分かったよ・・・」
「できたわよ!」
母親が差し出したのは、半分湿っている状態の体操服だった、
「濡れてんじゃん」
「文句言わないの!それより、はやくしないと!」
「あ、うん」
僕は、湿ったままの体操服を着て家を出た。