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わがまま姫。
あの日から、僕に不幸が次々と襲いかかった。
例えば、翔子が抱きついて来て失神しかけるし、皆には僕が彼女の事を好きだと誤解するし・・・。
やっぱ、つきあうとか軽々しく言うんじゃなかったな。
「ダーリンッ!」
来た・・・。
「やっぱ、わかれようよ・・・」
「やーだ!私の初めての彼氏なんだからこんなに早く別れるなんて、ずぇえったいやだ!!!」
どうにかしてくれ・・・。
このわがまま姫を。
「ダーリンは私の事好き?嫌い?」
「嫌いじゃないけどさ・・・」
「じゃあ、いいよねっ」
翔子がにこっと笑う。
しまった・・・。
丸め込まれてしまった・・・。
「ほら。次、移動教室でしょ、早く行こ!」