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懲りない彼女。
「とりあえず、授業は受けろよ。受験生なんだよ?僕ら」
「それは大丈夫。勉強してるから」
さ、さすが優等生!!
「だから・・・ほっといてよ・・・」
だんだん小さくなっていく彼女の声。
「まだ引きずってんの?あのこと・・・」
あのこと・・・それは彼女の本性が皆にバレた事である。
「・・・どうでも良いじゃん」
口を尖らせる彼女。
「美夏ちゃぁん!ビールまだぁ?」
家の中から聞こえる男性の声。
「はぁい♪」
彼女の声が変わる。
出た、ブリッコ。
まだやってんのかよ。
いい加減、本性バラしたらいいのに。
「あれ?美夏ちゃん、どちら様?・・・もしかして彼氏かしら?」
「いや、あの・・・えっと・・・ちが・・・」
僕が彼女の顔色をうかがいながら答える。
「違いますよ!ありえない。こんな奴」