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彼女のお父さん。
また、僕は彼女の家の前に立っている。
やっぱり、いつ見てもすごい豪邸だ。
「どうしたね?」
後ろから、男の声がした。
また執事さんか?
振り向くと、立派なひげを生やした執事ではない人が立っていた。
周りにはサングラスをかけた、ゴツいおじさんたちがいる。
僕は少しひるみながら尋ねた。
「えっと、美夏さんは・・・」
「美夏かね?」
呼び捨て?
もしかしてお父さんとか?!
「はい」
「美夏は・・・今ちょっとここには、いないんじゃ。すまないのぅ」
「いえ、あの・・・じゃ今どこに?」
「私の伯父のうちだ。いってみるかね?」
「え?今・・・ですか?」
「いや、今じゃなくてもよいが・・・都合のつく時で」
彼女のお父さん(?)が名刺を僕に差し出す。
【軽山田武郎 株式会社 軽山田 社長 ×××ー××××ー×××× 東京都○○区×××ー×××】
社長さん?!
っていうかやっぱりお父さんなのか。