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レッツらゴー!!
「みんな用意できたかい?」
南藤が全体を見渡す。
「じゃあ、レッツらゴー!!」
なんでそこに「ら」を入れるんだ…。
今、僕たちは南藤の別荘に向かって、プライベートジェットに乗り込もうとしているところだ。
プライベートジェットは南藤の家のモノらしい。
「広いなぁ、すごいわぁ」
雅がやたら感心している。
翔子は早速座るところを決めて、持ってきたお菓子を広げて配っている。
南藤は機内の説明――というか自慢をしているが、誰も聞いちゃいない。
先間は虚空を見つめている。
自称・大魔王は……なにしてるんだ、アレは?
変な呪文を唱えてるけど。
そして、美夏は席に座って、窓の外を見ていた。