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クリスマスの予定。
北風が僕の首筋を突き刺すような冷たい手で撫でる。
もうすっかり冬になった。
雪はまだつもらないものの、寒いのには変わりない。
ただいま終業式の最中だ。
冷たい床に座り足もしびれてくるのに、校長は容赦なく話し続ける。
まったく要点のつかめないその話は、もう30分以上続いている。
やっと校長の話が終わり、終業式が閉じられて教室に帰る途中に、南藤が話しかけてきた。
「西山和也、もうすぐクリスマスだね!」
「あぁ?あぁ……」
足がしびれてイライラしている僕は、そっけなく答える。
なんでコイツはいつもこんなにテンションが高いんだ。
「またみんなで旅行に行こう!クリスマスに。そうしよう」
「ちょっと待て。勝手に決めるな!」
「何か予定があるのか?」
「ねぇけど……」
「じゃあ、決まりなのさ!」
南藤は僕らが今、受験生であることをすっかり忘れてないか……?