103/107
三年後にもう一度。
「私、春にはもうアメリカ行くから」
「…行くなって言ったら?」
「何が何でも行く。そう決めたから」
美夏の瞳は迷いがなく、ただまっすぐ未来をみていた。
これ以上美夏をアメリカに行くなと説得しても無駄だと悟った僕はある疑問を投げかけた。
「いつくらいに帰ってくるんだ?」
「…向こうの高校を卒業したら。だから、だいたい三年後」
一年ならまだしも三年…。
心が折れそうになる。
三年も美夏に会えないなんて。
「じゃあ…」
僕は玉砕覚悟で美夏に提案した。
「三年後、もう一度会ってそれでも好きなら……結婚しよう」