表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◯◯しないと出られない異世界  作者: ワナリ
序章『予選:異世界脱出⁉︎』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/114

表彰式【07】『異世界脱出――?』


 ふ、増えてる……。スキルが!

 しかもただのスキルじゃなくて、固有スキルだ!


「ほお、『征服特権』とな」


 センチアも、俺の新たに増えた固有スキルに、目を丸くしている。

 俺はセンチアの方に、ワンチャン何かスキルが増えていればと思ったが、まさか俺の方に増えているとは――。


 だが驚いてばかりはいられない――。まだ勝負は終わっていない!


「ダーリン、おそらくこれが、この異世界を出る鍵ですわ」


「ああ、きっとそうだ!」


 ミッション進行を促すククルに、俺も力強く頷く。


 ククルは、いつも俺に道を示してくれる――。

 今もククルが、俺のスキルを発見してくれなけば、きっと手詰まりになっていただろう。

 その思いは無駄にはしない――。このスキルで、俺もククルも一切合切、救ってみせる!


 とはいえ――、


「だけど……『征服特権』って、いったいなんの特権があるんだ?」


 ひとまず俺は、当然の疑問を口にする。


 だって『電撃』とか『火炎』だったら、字面でなんとなく分かるでしょ?

 だけど、今回の『征服特権』って、まるで『無料サービス』とだけ書いてて、その対象が明示されていないインチキ広告みたいじゃないか……。


「フム。そりゃ特権といえば……、あんな事やこんな事じゃろ」


 頭を悩ませる俺に、センチアがニヤけた顔で言ってくる。


「あ、あんな事や……こんな事……?」


 魅惑のキーワードに、思わず俺も乗っかってしまう。


「そうじゃ。あんな事といえば――、そりゃもちろん、チョメチョメじゃろ」


「ちょ、チョメチョメっすか!」


 センチアのゲス発想に乗っかり、俺も思わずゲスい想像をしてしまう。

 だが、あながち間違ってはいない――。征服者とは、征服地のすべて掠奪する権利があるのだから――。


「――――!」


 思わぬヒントを得た俺の頭脳が、フル回転を始める。


 すべてを掠奪――。生殺与奪――。人の命も思うまま自分の所有物とできるのが、すなわち征服者……。


「――――⁉︎ そうか!」


 ゲス発想のおかげで、スキルの意味が分かった俺は大声を上げる。


「なんじゃ、やかましい奴じゃの」


「ダーリン、何か分かりましたの?」


 センチアとククルが、俺の顔を覗き込んでくる。

 それに何も答えず、俺は大きく息を吸いながら、不敵に笑う――。


 ヘヘッ、おあつらえむきの舞台になったぜ。

 そんじゃあ、いっちょブチかますとするか。

 俺の――一世一代の晴れ舞台だ!


「いいかー! 俺はこの異世界の勝者――。すなわち征服者だ!」


 突然の宣言に、二人とも目を丸くしているが、構わず俺は叫び続ける。


「征服者とはすなわち『王』だ! 今、俺はこの『異世界の王』となったんだ!」


 ヤバイ、厨二病丸出しだが、なんか楽しくなっきたぞ。


「王には臣民が――、いや『配下』が必要だ」


「――――⁉︎」


 ククルが目を見開いている。頭のいいお前の事だから、もう気付いた様だな。


「征服特権として、ククル! 俺はお前を『配下』とする! これでククルは俺の『契約下』に入った!」


「なんと⁉︎」


 今度はセンチア声を上げる。だがその顔がニヤついているという事は、こいつも俺の狙いが分かった様だな。


「さあセンチア、俺と契約しろ! これでお前と契約すれば、俺と契約したククルも『込み』で契約だからな!」


「クククッ、そうきおったか」


 俺の申し出に、センチアが楽しそうに笑っている。これで俺は『勝ち』を確信する。


 じゃあ――、さっさと『手続き』を済まさねえとなんねえな。


「ククル――」


 そう言いながら、俺はククルの両肩に手を置き、その身を引き寄せる。


「は、はい……」


 いつもは不敵な面構えのククルも緊張している様子だ。


 あらためて見る超絶美少女っぷりに息を呑みそうになるが、ここは一気にいく。


「お前はこれから俺の配下だ。その契約をする――」


「ンッ⁉︎」


 何も言わせないままククルの唇を奪う。

 これが征服者の力なのか、自分でも信じられないほどの強引さだ。


 それに、こんな事が契約になるのかも分からない。

 だがそれでもなぜか俺には、これが男の『ケジメ』だと思えたんだ。


 ククルも抵抗はしてこない。

 生暖かい舌の感触を感じた瞬間、俺たちの体が光の鎖に縛られ、一心同体になったかの様な感覚に襲われる。


「ホホッ、やりおるの。ほんとに契約しよったわ」


 他人の情事を覗き見る、近所のオバチャンの様なセンチアの声で、俺たちは陶酔から覚め我に返る――。


 どうやらこれで、俺とククルの『主従契約』は成立したらしい。

 安心したせいか、離した唇に繋がった糸が、まるで俺たちを結ぶ鎖の様だ――。なーんて、久しぶりに作家みたいな事を思っていると――、突然ククルに頭を掴まれる。


「えっ? ――ブベッ!」


 次の瞬間、俺の唇はククルの硬いハイヒールに、キスさせられていた。


「く、ククル?」


「私のミッションは、ダーリンとの『奴隷契約』ですからね。まあ、もうすでにダーリンは身も心も私の奴隷ですが、万全を期するために一応、『ケジメ』をつけておきませんとね。ウフフッ」


 そう言って顔の見えないまま、ククルはいつもの様に妖しく笑う。


 ――えっ、俺は『王』なのに、配下のククルの『奴隷』なんですか⁉︎

 いやいやいや、配下の奴隷とか、どんな王なのよ⁉︎


「ふむ、間もなくワシの固有領域も消えるぞ――。さあ来い、レオよ」


 続けてセンチアが俺の首を掴んで、宙に放り上げる。

 いや俺、征服者なのに扱いひどくねえっすか⁉︎


「汝、レオよ――。汝を我、『強欲神センチア』の眷属として迎え入れん。これより汝は、我に使役されし『しもべ』となる――」


 手をかざすセンチアが、高らかに契約を宣言する。


 えっ、ちょっと待って⁉︎ 今、『しもべ』って言いましたよね?

 それは聞いてないんですけど。契約書とか事前に確認させてもらっていいですかー⁉︎


 焦る俺を無視して、センチアは俺を光で包み込んでいく――。


 そして、さらに宣言する。


「さあ受肉せよ! そして行くぞ、新たなる『出られない異世界』へ!」

 

 ………………………………。え?






 序章、完結しました。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。もし本作を面白いと思っていただけましたら、ぜひご評価ください。


 また次回より、第一章が始まりますので、ブックマークしていただければ、とても嬉しく思います。


 これからも宜しくお願い申し上げます。読者の皆様に深い感謝を。


 ワナリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ