表彰式【06】『ここは権利を主張します!』
――『世界征服しないと出られない異世界』
俺の『願い』が反映された、決勝戦の『お題』。
そして俺は最後の勝者となる事で、このセンチアの固有領域という世界を征服した。
これでミッションは達成。だから俺はこの異世界から出られるはずだ。
だが、決勝戦にはもう一つお題があった。
――『女王様となりすべての男を奴隷にしないと出られない異世界』
俺とは個別に設定された、ククルのミッション。
ククルは勝負では俺に敗北した。
だが――俺を奴隷にする事には成功しているんだ!
『お題』には『すべての男』となっているが、壮絶な殺し合いの末、今この異世界に残った男は、俺一人しかいない。
つまり俺を奴隷にできたという事は、すなわちすべての男を奴隷にした事と同じになる。
屁理屈じゃない――。俺には確信があった。
そもそも、この『お題』とは神のスキルで提示されたものだ。
しかもスキル名は『先読み』――。つまり『神の啓示』じゃねえか。
それなら信用するに足るし、これまでもそのミッションを達成さえすれば、次のステージに進む事ができた。
だから――俺だけじゃなく、同じく最終ミッションを達成したククルにも、きっとこの異世界を出る権利があるはずだ!
その事をセンチアに訴える――。
「うーん」
センチアは煮え切らない返事をしてくる。
いや、こいつ自分の理解を超えると、途端にこういう態度取りやがるのな――。見た目がメスガキのロリババアなだけに、余計ムカつくわ。
「確かにワシの『先読み』は、外れる事はないじゃろうが……」
「なら、なんとかなるはずだろうが! それとも何か、神様とか言っておきながらインチキ占い師と同じレベルか⁉︎」
「カッチーン!」
センチアの奴、ついに感情を擬音で表現しやがったぞ。だが、ここはケンカしてる場合じゃねえ。
いずれタイムリミットが来る。固有領域が消えるまでに、早く解決の方法を見つけなけりゃならねえんだ! 考えろ、考えるんだ!
「そうだ! なんかお前に新しいスキルが発生したとかはねえのか? 『先読み』だって制御できねって言ってたし、なんか訳の分からねえ固有スキルとか増えてるかもしれねえぞ!」
思いつくままに口を開いていた。
だが今は――、どんな可能性にでも縋りてえんだ!
「ふーむ」
センチアが面倒くさそうに、スキルを確認する。
「どうだ、あったか⁉︎」
「いや……、ないのー」
「よく見たのかよ⁉︎ もっかいちゃんと見てみろよ!」
「嫌じゃ、面倒くさい!」
「うわっ、お前神のくせに、人の命かかってんのに面倒くさいとか言っちゃう⁉︎」
「嫌なもんは嫌じゃ!」
「この野郎、じゃあ俺が見てやるよ! あっ、俺もうMPなかった……!」
「プププッ。バーカ、バーカ、HPだけじゃなく、MPの計算もできんなんて、やっぱりお前はボンクラじゃのう」
「ぬぬぬ!」
俺が怒りに身を震わせていると、
「だ、ダーリン!」
突然、背後のククルが驚いた声を上げる。
振り返ると、その肩がブルブルと震えている。
えっ、なに、俺の背中にもう死相でも出ていましたか⁉︎
「ダーリンの……スキル……」
「ん? 俺のスキルがどうしたってんだよ――」
「いいから、早くスキルを見て!」
ククルが血相を変えている事にビビった俺は、言われるままに自分のステータスを開く。
そして空中に表示された、スキルのページをめくっていく。
「――――⁉︎」
その最後のページを目にした瞬間、息が止まりそうになる。
固有スキル『征服特権:LV10』
そこに表示されていたのは、今までは存在しなかった新スキルの名前だった。




