表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◯◯しないと出られない異世界  作者: ワナリ
序章『予選:異世界脱出⁉︎』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/114

幕間①【04】『赤ちゃんプレイは、いざやるとなると勇気が必要』


 あー、やべーなー。

 これ地雷、踏んじまったってやつ?

 ククルが、はしゃいでる隙を突いたつもりだったが、ステータス覗いてるのモロバレだったか。

 しかもダーリンとか何よ……。


「さー、お仕置きタイムですよー」


 また顔面踏む気ですか?

 あれ地味に痛いんですけどー。

 と思ったら、今度は足を掴まれたぞ?


 なになに、ここからまさかの四の地固めとか、関節技(サブミッション)ですか⁉︎

 いやー、ククルさん、立ち技だけじゃなかったんですねー。

 って、あれれ? 今回はなぜか手つきが優しい気がするんだが、気のせいか?


「はーい、できましたー」


 うん、上手にできましたねー。って、何よこれ?

 なんか俺の右足首と、ククルの左足首が結ばれてるんだが⁉︎


「ダーリンは、私の大事なとこを覗き見しちゃったので、ここからはHPの補充なしでミッションに挑んでもらいまーす」


 まったくもって、言ってる意味が分からんわ。

 あと、なにげに人を変質者みたいに言うのやめてくれ。

 それはともかく、HPの補充なしでミッションって……?


 『◯◯◯しないと出られないエレベーター』


 ああ、あれですか。やっぱり、あったんですか……。

 この部屋で気が付いてから、ずっと顔面踏まれたまま這いつくばってたから、今まで表示に気付かなかったよ。


 最初が『大願成就しないと出られない部屋』、前回が『一発必中しないと出られない回廊』で、次はエレベーターとは……。


 で、伏せ字になってる今度のお題はなんなのよ?

 ちょうどMPが3余ってるから、全文字見れるか。

 ――よし、スキル『洞察』!


 『仲良くしないと出られないエレベーター』


 …………はい?

 仲良く? 誰と? まあ、なんとなく分かりますけど。


 でも、仲良くったって、相手は俺の顔面笑顔で踏み続けてた訳だし、俺はっていうと命の危険があったとはいえ、迷わず股間に弾丸撃ち込んじゃったんだよ……。


 い、ま、さ、ら、できるかー!


 しかもエレベーターって何よ? あっ、あったわ。

 ほんと顔面踏みつけプレイのせいで、周囲の状況がまったく把握できてなかったわ。


 見た所、屋根部分にロープが繋がってるけど、エレベーターっていうより、横一面だけがぽっかり空いた四畳半ぐらいの『箱』って感じだな。


挿絵(By みてみん)


 あー、不安しかないわー。

 どうせあのクソ運営が用意したミッションだから、まともな内容な訳がねえ。


「じゃあ行きますよ、ダーリン」


 ってククルの奴、何勝手に進行しようとしてんだ⁉︎


「おい、いったい何をする気だ? ちゃんと説明しろ」


「んー? あー、そうですかー。ダーリンは低脳だから、まだ状況が理解できてないんでちゅねー」


 赤ちゃんプレイで、ディスられるのって腹立つわー……。

 あと状況が理解できてないのは、お前が顔面踏んでたせいだよ!


 まあいい。ここでまたククルを刺激して話がこじれるよりも、事態を整理する事が先決だ。


「じゃーあー教えてあげますから、『おちえてくだちゃいククルちゃまー』、って言ってください」


 ああん⁉︎ このクソ女、完全に俺をコケにしてやがるのか⁉︎

 いやいや落ち着け、俺――。ああ、この世界で俺はレオか。


 いいかレオ。一時の屈辱で大局を見誤るな。

 事態を穏便に済ます方が、最終的にプラスが大きい時もある。いや、ほとんどの場合がそうだった。

 そうやって俺は、これまで――上手く生きてきたんじゃないか。


 受けた屈辱は、いずれ己の実力で百倍返しにする。

 そう自分に誓いを立てて、今まで下げたくない頭を何度も下げてきた。

 親、兄弟、職場……。くっ、今回も同じだ。


 どうしようもなく腹は立つが、赤ちゃん言葉でお願いくらい……お願いくらい……お願いくらい……、できるのか⁉︎


 ――お、おちえてくだちゃい。


 言おうとしても唇が動くだけで、声が出ねえ。

 くわーっ! これ予想以上に難易度(たけ)ーっ!


 いやいやいや、これって人間としての尊厳に関わる部分じゃねえか?

 でも世の中には、これをお金を払ってまで実行する人もいるんだよね。

 うん。なら大丈夫。これは普通の事だ。

 って、少なくとも普通じゃなーい!


「クスクスクス」


 ククルの奴が、俺が金魚みてえに口パクパクさせてるの見て、笑ってやがる。

 クソッ、確かに滑稽極まりない姿を見せたのは確かだ。

 だが顔面踏まれた俺に、もう怖いものなどない!

 ディスりたければ、好きなだけディスるがいいさ――。


「あー、やっぱりレオさんって最っ高!」


 えっ? なんだよ突然、手のひら返しで褒めやがって?

 しかも今度はダーリンじゃなくて、わざわざ俺のペンネームで呼ぶなんて、どういう事だ……?


「才能もない。運もない。当然、居場所はド底辺!」


 お……おい、何を言ってるんだ、こいつ?


「ブクマも付かない、ポイントも入らない、それでも根性だけで上を向いて、何度も何度も必死に這い上がろうとし続けてる――」


 それって俺の――⁉︎ やめろ、それ以上言うな。言わないでくれ!


「今のレオさんの姿って――、あなたが書いていた報われない小説と、おーんなじ!」


 目の前が――真っ暗になった。


「ああ、その惨めに足掻く姿がリアルに見られるなんて……本当にゾクゾクしちゃう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ