番外編:お願い⑤
にゃんこ、怒らすと怖いよねって話です(*´ω`*)
「失礼、もう一度会いたくてな」
皆がミルクをチヤホヤしてるところに、エリック達はもう一度戻ってきた。
今は羽根のついた紐で遊んであげてるところのようだ。
急遽来たエリックにビックリし、再びミルクはシャーシャーと言う。
「落ち着け」
エリックは距離を保ちつつ、ミルクを覗いた。
ミルクの目はキレイなオッドアイだが、今は興奮していてつり上がっている。
違和感があるのか、良くわからない。
「お義兄様、ミルクと仲良くなりに来たのですか?」
ミューズの問いかけ。
仲良くなれず寂しくてもう一度挑戦しに来たのかと思われている。
「…悪くない呼び名だが、そうではない」
男兄弟しかいないエリックは満更ではない。
「猫については詳しくないが、これは怒ってるんだよな?」
毛を逆立ててエリックを見ている様子に、ティタンはマオに聞いてみた、
「そうなのです、毛がブワァっとなってるのは危ないです。手を出したら引っ掻かれるですよ」
マオが説明してくれた。
「ティタン、お前手を出せるか?」
「俺ですか?!」
兄の勧めにティタンはさすがにあの状態に近寄るのはちょっと気が引けた。
寧ろ自ら進んでミルクに触ったこともない、いつもあちらから来るからだ。
「やはり嫌か。では俺が失礼して…」
ゆっくりエリックが手を伸ばす。
ミルクは体を強張らせ、余計に飛び退ってしまった。
「食べたりしないんだが、嫌われてるなぁ」
「目が怖いからですか?」
「そんなはずなかろう」
ティタンの一言でエリックから殺気が漏れる。
「フシャーーッ!!」
突然ミルクがエリックに向かって飛びかかってかた。
「おっ?」
「エリック様!」
飛びつく寸前、ニコラが素早くミルクの首根っこを捕まえる。
「ミルクは凄いな、殺気への反応が早い」
エリックは感心していた。
「もう、ビックリさせないでください」
ニコラがミルクをミューズに返す。
「ひと撫でしたかったのだが…」
「絶対ダメです!」
ニコラに怒られ、エリックは諦める。
「今度おやつを持ってきてあげよう、騒がせてしまってすまない。レナン、そろそろ帰ろうか」
帰るよう促され、レナンは名残惜しそうだ。
「もっともふもふしたかったです…」
「今度また連れてきてあげるよ」
レナンを宥めてあげた。
「本当にミルクは人間のように賢いね。まるでティタンを守る母猫のようだ」