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彩夏音の魔法のペンダント  作者: 白浜 月
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恋愛進行中

放課後、望優と楽しくお話ししながら帰る支度をしているとまだ残っていた乾君が、

「一緒に帰らない?」

と声をかけてくれた。

あまりにも嬉しくて、飛び上がりそうになった。

望優も

「よかったね!」

とウインクしてくれた。

三人だから、会話の間があいても何とかごまかせるし、私は何を話していいかわからないけど、望優がうまく会話をつないでくれる。

楽しい、本当に。

中学生活で今が一番楽しくて、幸せ!

残念ながら、今日は塾がない。

塾は週に三日、月と水と金しかない。

塾も毎日ならいいのに。

あんなに勉強嫌で塾の日もブルーだったのに、まさか塾が楽しみになるなんて!

これも乾君のおかげ。

もう二学期も始まって、まわりもみんな受験がだんだんと近づいてきて、一生懸命勉強してる。

頭の中は乾君のことでいっぱいだけど、勉強も頑張らなきゃ。

出来れば、乾君と同じ高校に行きたいなんて、思ってしまう。

乾君はまだ転校してきたばかりだから、どんな成績かわからないけど。

望優とメールしてこのことを相談すると、

「そうだ!

今度三人で勉強会しない?

塾のない日に、例えば図書館とかで。」

そのメールを読むだけで、顔が真っ赤になった。

「乾君がOKしてくれればだけど。」

「了解。

近々それとなく誘ってみようよ。帰る時とかに」

「うん!」

お互いの得意不得意なところを教えあえたらいいな。

緊張するけど、ワクワクする~。

ベッドに横になって、ルンルン気分でクッションを投げたりして遊んでいると、突然ふと人の気配を感じた。

パッとその方を見ると、またハロが立っていた。

「わー?!」

と思わず大声を出した。

「彩夏音、どうしたの?」

とお母さんの声。

隣の部屋のドアの音が聞こえて、

彩耶夏が入って来た。

しまった。ハロがいるのに…。

「お姉ちゃんどうしたの?」

と聞かれた。

彩耶夏は部屋中を見渡して、不思議そうな顔をしている。

そうだ、彩耶夏にはハロは見えないんだった。

「ごめん、虫がいた。」

「もう、それくらいで。」

と彩耶夏が怒って、階段を下りながら、

「お母さーん、お姉ちゃん虫がいたくらいで叫んでる。」

と私のこと愚痴ってる。

「ハロのバカ。

いつも突然現れてびっくりさせて。

他の人には見えないんだから、私が変人に思われるんだよ。

急に現れないで。」

「じゃあ、どうやって現れたらいい?」

「…どうって言われても。

合図なんて出してくれても、その時見てるかどうかわからないし。

いつどこで現れるかわからないのに。」

「ごめんね、彩夏音。

また、外で急に現れると友達に見られると思って。」

「何か最近のハロ、いつもごめんねばかり言うね。

前はそんなことなかったのになぁ。

犬だと思って、一緒に遊んで楽しかったのに。」

「本当に、またごめんね。

彩夏音には申し訳なく思ってる。」

「いったい何があったの?」

「今はまだ詳しくは話せないんだ…。」

「…。

じゃあ、これからはなるべく家で現れてよ。

慣れるようにするから。」

「わかったよ、彩夏音。」

ハロが何を考えてるのか何のために現れるのかまだわからないけど、きっと私のため?に、何か理由があって現れているのは何となくわかった。

気になるけれど、気にしないようにしよう。

今はとにかく勉強頑張らなきゃだから。

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