どうすればいいの?
気を取り直して、慌てて帰ろうとすると、
「彩夏音。」
とハロに呼ばれる。
聞こえないふりをして帰ろうとしていると、なぜか目の前にハロが…。
「わーっ!」
「何?
一体何?私が何をしたっていうの?」
悲しそうな私の表情を見て、ハロも少し戸惑った顔をする。
「ごめんね、彩夏音。
いろいろびっくりすることばかりで、怖いよね。」
「…。」
私は答えられない。
私はどう反応すればいいの?
辛いよ。
今までみたいにはもう戻れないの?
少し涙目になった私を見て、ハロがゆっくりと話し出す。
「彩夏音、聞いてほしいことがあるんだよ。」
「…。」
「…。」
「無理っー!」
と私はハロを置いて、必死で走り出した。
ハロは犬だから私にすぐ追い付くかもしれない。
と思いながら全速力で走る。
途中息を切らしながら、恐る恐る後ろを振り返るとハロはいない。
よかった。
追いかけて来なかった。
もし追いかけて来てたらどうしようかと思った。
このことは、誰にも相談できないんだもん。
もうこれ以上ハロに関わりたくない。
忘れたいよー。
ハロは彩夏音の背中を寂しそうに見送る。
今は何を言っても彩夏音が混乱するだけ。
もう少し様子をみよう。
彩夏音、君ならきっとわかってくれるはず。