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ファイト!
ボクの父さんも警察官だった。
5年前任務中に殉職してしまったけれど、それでもボクは迷わずこの仕事を選んだ。
父さんのように最期までかっこよく生きたいってこと、
それとどうしても会いたい人がいて、その人を探すため。
元気だといいけれど…。
この前の模擬試験の結果が返ってきた。
思っていたより上がってる。
真剣に成績表を見ていると、知らないうちに後ろから望優が覗きこんでいた。
「こらっ!
勝手に見るなんて。」
「彩夏音、私が来てるのに、全然気付かないんだもん。
自然に目に入ってきたんだよ。
でも彩夏音頑張ってるね!」
「望優のも見せてよ!」
「後でね!」
きっと乾君、良い点数だったろうなと思っていると、
「すげぇ。オールパーフェクトだ!」
って声が聞こえた。
振り返ると、乾君が慌てて、成績表を片付けようとしている。
「えっ。乾君そんなにすごいの?」
乾君と同じ高校に行きたいって気持ちで勉強頑張ってるけど、届きそうにないなぁ。
でも、ギリギリセーフでもいいから、絶対に同じ高校に行きたい!