ボクの誇り
ボクはこの仕事を誇りに思っている。
決して生ぬるい考えではできないけれど、人のために自分を犠牲にしてでも、信念を貫きたいと思っている。
今のボクの信念は彩夏音を守ること。
そのためなら、手段を選らばない時もあるかもしれない。
とにかく彩夏音の不安を最小限に、ボクのことを怖がらせずに彩夏音を守らないと。
今はまだ話せないことだらけだけど、その時が来たら彩夏音にはきちんと話して、理解してもらって、彩夏音の秘めている素晴らしい力を貸してほしいと思っている。
彩夏音、何があってもボクは君の味方だから…。
まだ幼い彩夏音を巻き込んで、ゴメンね。
望優が塾の前に自動販売機でジュースを買いたいと言った。
「私コーヒーにしよ!」
「私も…買おう。
授業中眠くなるんだよね。
眠気覚ましに…。」
「わかるー。」
って話していると、
「何の話?」
と乾君。
「授業中眠くなるからその前にコーヒーを、って話してたの。」
「乾君は眠くならない?」
「うーん、僕は大丈夫かな。」
「睡眠時間はどれくらい?」
「そうだな、1~3時間位かな。」
「えー?!
それでよく眠くならないねぇ?!」
「僕ビタミン剤飲んでるから。」
「そうなんだぁ。
結構効く?」
「そうだね。」
と笑顔で答える乾君。
そんなに勉強頑張ってるんだ!
私ももう少し頑張らないと。
受験が終わるまで睡眠時間も今より切り詰めよう。
彩夏音…、無理をしたらダメだよ。
あの少年が言っていたビタミン剤とはビットのことか…?
まさかビットまで持っているのか…。