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彩夏音の魔法のペンダント  作者: 白浜 月
11/103

ランチ!

日曜日。

三人で勉強会の日。

楽しみで昨日はなかなか寝付けなかった。

ちょっと睡眠不足だけど、しっかり顔を洗って、笑顔の練習もしてきた!

大丈夫だ!


12時の待ち合わせに、30分も前に来てしまって…。

図書館の中に入って待ってればいいのに、ずっと入り口の前にいた。

待ち遠しくて…。

ちょっと待った。

もし先に乾君が来たら、二人きり?

それってめちゃくちゃ緊張するじゃない。

どうしよう。先に望優が来ますように?!


時間はあっという間に過ぎ、そろそろ待ち合わせ時間。

どぎまぎしながら待っていると、乾君と望優が二人でやって来た。

「途中で会ったの!」

と望優。

いいなぁ。二人でもあんな風に普通に話せるなんて、うらやましい。

なんて思っていると、望優が

「早くランチ行こう!」

と明るく言った。

その声で私も前向きになる。


レストランに着き、席に着いた。

「何にする?」

と私が聞くと、望優は迷わず、

「私は玉子サンドとアイスコーヒー!」

「望優、好きだね!?」

「定番だもん!」

「じゃあ、私はハムサンドとオレンジジュース!」

とちょっと大きめの声で言ってしまった...。

「乾君は?」

と二人で聞くと、

迷ってそう...。

まるで、初めてカフェに来たみたいにメニューをあちこち見ている。

かわいくて、思わずプッと笑いそうになった。

真剣に選んでる乾君に失礼。


少し間が空いた後

「僕、カフェはあまり来たことなくて…、

じゃあ、ハムサンドにする。」

と言った。

私は嬉しかった。

偶然だろうけど、乾君も同じハムサンドなんて、舞い上がりそう。

本当は私も玉子サンドにしようかと思ったけど、ハムサンドにしてよかった!


料理が運ばれてくると、望優が

「美味しそう!」

とはしゃいでいる!

私もテンション上がりすぎないようにして、乾君を見る。

少し珍しそうにハムサンドを見ている。

「ひょっとして、乾君、ハムサンド初めて?」

と聞くと、

「まさか、そんなことないよ!」

と笑顔で言った。

その笑顔がまぶしくて…。

学校以外でこんなに近くで、乾君と食事が出来るなんて…。

と浮かれていると、

「美味しいっ!」

て聞こえた。

いつも冷静で落ち着いている乾君がちょっと大きめの声で。

望優がすかさず、

「やっぱり乾君、ハムサンド初めてなんじゃない!?」

と聞くと

「こんなに美味しいハムサンドは初めてだよ。」

と返したので、三人で笑いあった。


その後の勉強会。

私が苦手な数学に苦戦していると、乾君が横からサッと解き方を教えてくれた。

どんな難問でも、乾君は解けてしまう。

「すごい!」

と望優と顔を見合わせた。

「前の学校も塾も結構厳しくて、いろんな問題に挑戦させられたからなんだよ。」

「どんな学校?」

と聞き返すと

乾君は返答に困りながら、

「実は外国なんだ。」

と答えた。

「転校の時は内緒にしてたけど…。」

「えー!」

と二人で叫ぶ。

「しーっ、ここは図書館だよ。」

「ごめんなさい、そうでした。」

「だから、メニューの時も悩んでそうだったんだ。」

「ひょっとして、英語もペラペラ?」

「うん、それなりには。」

と遠慮がちに答える。

「すごい!

これからも勉強教えて!

あっ、受験生なのに迷惑かな?」

「そんなことないよ、別にいいよ。」

「これからもよろしく。」

と優しく言ってくれた。

やったー!

望優と笑顔になった。

「こちらこそよろしくね、乾君。」

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