もっと知りたい
次の塾の帰り、三人で帰っている時に望優が切り出した。
「ねぇ、今度三人で勉強会しない?」
私は即答で、
「いいね!」
と言った。
乾君は少し考えた後、
「いいよ!」
と返事してくれた。
やったー!
心の中でガッツポーズ!
勉強会は来週の日曜日に図書館でと決まった。
図書館にはカフェが併設されていて、そのカフェでランチすることも決まった。
とにかく楽しみ~。
学校と塾以外で乾君に会えることが幸せ。
それとなく、乾君に希望校も聞いてみたい。
勉強会なのに、勉強以外に聞きたいことがいっぱい。
あんまり聞きすぎると嫌われるかもだから、気をつけないと。
私は勉強も一生懸命頑張った。
次の塾の模擬試験で良い点数を取りたくて、夜中まで勉強した。
そのせいで学校の授業中、特に午後からの授業でうとうとしてしまう。
ツンツンとシャーペンで腕につつかれたような気がして見てみると、乾君が起こそうとしてくれてたみたい。
少し笑っている乾君。
恥ずかしい、うとうとしてる顔を見られるなんて。
授業後に乾君に
「起こしてくれてありがとう。」
と言うと、
「勉強、頑張ってるんだね。」
と優しく言ってくれた。
望優にこのことを話すと、望優が
「もっといろいろなことを話せば?
積極的にアプローチ!」
「でも受験生だから、まずは勉強を優先しなきゃだし...。
確かに今のうちにもっと親しくなりたいけど。」
「乾君って本当にかっこよくて、優しいよね。」
「うん、そうだね。」
「でも、乾君って特定の男子の友達いないよね?
別にみんなと仲が悪い訳でもないけど、特に友達を作ろうともしない感じ?
「一匹狼?
気のせいかな?」
「気のせいだよ。
いい人だもん。」
「…。」
そう言われてみれば、確かに乾君、決まった友達はいないかも。
学校でも塾でも、帰る時は私達をよく誘ってくれるし。
でもそれって、私達と帰りたいってこと?
まさか、ねっ!
ちょっとドキドキしてしまった。
わー!
私何考えてるの~!?
いろいろ考え過ぎ!