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振られた上に言いふらした彼女と再会したら惚れられているような気がするが二度と騙されない

感想欄、解放しました。

でも怖いのでしばらく絶対に見ません、ごめんなさい。

 流れから察して潔く引いた。

 それだけで俺は片桐の口から明確な答えを聞いたことは無い。


「いや、普通に考えれば翌日皆に笑われてるのに聞く奴の方が可笑しい」


 今考えてみれば、散々見てきた髪をいじる仕草。

 あれが緊張の現れだとするならば、小学校の時も片桐は机の上へ座りながらいじっていた。


「……緊張」


 告白された事がバレた故か、それとも皆に合わせるため嘘をついたからか、または両方。

 待てよ、それなら廊下で二人きりの時も緊張していた事に。


「ならないな、助けられたのが自分だとバレないか冷や冷やしていた線も十分にある」


 そもそもだ、どうして俺のことが好きという結論に至る。

 これら全てがあくまで俺の観測からの推測でしかない、実際と違う事だって十分にあり得るんだ。


「また随分と俺は十人十色の解釈が出来る事実から、自意識過剰な妄想を考えてんなー」


 頬を叩き、目が覚めた俺は帰るために階段を下り、玄関で靴を履き替える。


「何にせよ、停学と言われた今。時間が有り余ってんだ」

 

 既に『振られてもいない』し、『言いふらしていない』と分かった今。

 それはつまり、俺の思考や考えはクソほど役に立たないと立証されたも同然。

 ならばそう簡単に惚れられている、なんて安直な結論を鵜呑みにせず、事実を重ねていけばいい。


「……ぃゃ、しかし」


 例え、例えばの話でしかないけど。

 先程の考えが正解だったとして、一体どうやって確認すればいい。

 『好きな人いる?』という質問が好きな人にしか聞かないように、そんな事をしたらまだ執着していると誤解されかねない。

 

「やっぱり、あっちからボロが出るのを待つしかないか」


 理由は分からないけれど、片桐はここまで自分の感情を出すような露骨な事をしていない。

 だから必然的に俺が仕掛け、どれほど『好きなのかどうか』情報を引き出せるかに全てかかっている。

 一度盛大に恥を掻いたのだから、そう簡単に二度目は騙されはしない。

 しかし、どうやってあの分厚い化けの皮を剥がしてやろうか。


「ねッ! あれって、そうゆうことじゃないッ?! いいなぁー」

「でもあの二人ならお似合いだし当然といえば同然じゃん」


 そう考え事をしていると校門で学生が団子状に集まり、騒がしくなっているのに気づいた。

 全員が一方を指差したり、バレないように覗こうとしている。

 だが、いかんせん人が多くて目立って無駄としか思えない。


「あのー、帰りたいんで、どいてもらってもいいですか」

「っんぁー、すみませ——」


 特に興味があって見ようとしたわけではなかった。

 しかし、俺だと気づいた奴らが自然と道を開け、結婚式のヴァージンロードみたいに左右に人が並び。


「ぇッ?! いいんですか、ありがとうございます」

「いやいや、気にしないで。なんか落ち込んでるように見えたからさ」


 結果、道路の反対側にあるクレープ屋。

 そこから出てきた神宮寺とクレープを手渡され、楽しげな片桐が並んで歩く姿が嫌でも視界に入った。


「っぉ、いいねぇ……これで少し元気になるなら安いものだよ」

 

 そして神宮寺は俺の存在に気づくと小さく声を上げ。

 爽やかであり、心底楽しそうな笑顔でウィンクを投げてきた。


「っん、誰かいるんです?」

「車側は手慣れてない奴がいるから僕が歩いた方がいいね、そう言いたかったんだ」


 自然な流れで車道側へ移り、覗きこもうとする片桐が見えないように射線を切った。

読んでいただけてありがとうございます。

1章完結、単行本になれる10万字行ったことで可能性を広げるために休憩へ入り、他の作品にも取り掛かりたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  一章完結、という事は二章が有るという事で!  お待ちしております。  ここまでお疲れ様でした。
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