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第十七週:愛と競技会(火曜日)

 大広間の真ん中に男性型のマネキン人形が一体。つい小一時間ほど前までは新品同様であった彼も、今は十二回戦を三試合ほど戦い抜いたボクサーのように心身ともにボッロボロとなっていた。――心は持ってないけど。


 すると、そんな彼の前にうら若き乙女が一人。胸乳も露わに裳紐をホトまで押し下げて、彼にそっと近付くと、彼の手を取りピリ。と電流を流す。そして次には、彼を愛おしくてたまらないと云った感じで優しく抱き締め、今度はビリリ。と、本格的に電流を流した。


 すると、流石の彼もこの電撃には耐え切れなかったのであろう、その超強化硬質樹脂の体をクタ。とその場に倒れ込ませた。


 すると、この機を逃さず、乙女の影――と云うか本体が、ガバッと十数倍に拡がったかと想うと、クパァと大きな口を開け、倒れた彼をその闇の中へと飲み込んで行った。


 オおおおおっ!と、大広間中に割れんばかりの歓声が起こった。集った求婚者たちは皆一様に、このデモンストレーション(?)を行なった乙女への敬意と敬愛を正直に表したのである。なんと美しい光景であろうか!


     *


「オレは光だからよく分かんねえんだけど」と、セイ・カハが訊いた。「――あれは何なんだ?」


 すると、訊かれたMr.Blu‐Oは、「それはね」と答えようとしたが、求婚者たち三十五名の公開演技(?)を見た後では、流石の彼女も元気がなく、「……いつか教えてあげる」と、返すだけで精一杯なのであった。


     *


「それでは、三十六番!」と、場内の歓声を鎮めつつジュージャ姫が言った。「セトルドウン星第一皇女・スピ=ヤビノ様!」が、しかし、彼女の返事はない。「スピ=ヤビノ様!」と、姫が繰り返すと、三つ目の女性が「あのピンクの子なら」と、当人に成り代わり言った。「不戦敗で良いって出てったよ」


(続く)

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