第十七週:愛と競技会(月曜日)
「一体、どんなことをするんでしょうかね?」と、アイスオブシディアンが訊いた。「求婚者たちの競技会って……」
ここは、エルテス王屋敷の地下食糧保管室。問題の『求婚者たちの競技会』が催されている中央大広間からは遠く離れており、防音・耐震・放射能防護にも優れ、いざと云う時の食糧備蓄もふんだんにある為、アイスとショワ=ウー、それに逃げ遅れた屋敷の男性使用人たちの避難場所とされていた。(女性使用人たちがレフグリス到着時に自宅避難・待機となったのは先述したとおり)
「まあ、」と、男だらけの保管室に辟易した様子でショワ=ウーが応えた。「アイス殿には早過ぎるでしょうが、興味はありますな」
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「ですので、私の惑星では、オ……殿方の面倒は全てメ……女どもが行い、殿方の出番は生しょ……愛を交わす時のみ。それ以外の時は、自由に行動して頂くことになります」
と、エリシナのオーハリア公女が言った。――なるほど、技(何の?)を見せる前に各種族の特長も説明しておくワケね。
「その後、出すもの出……愛を交わし終わりましたならば、殿方は女性と一体になったまま、先ずは足から、それから手、首、胴……と云う順番に優しく解体され、他のメスや産まれて来る子供たちのエ……一部となって永遠に生き続けることになるのです!」
パチパチパチ。と、他の求婚者たちから、静かな、しかし敬意に満ちた拍手が起こった。
ここに集った女性たちは皆、立場は違えど、種族や惑星を代表して来た、責任ある、高貴な立場の女性たちである。きっと、何か彼女に共鳴する所があったのであろう。
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「銀河の美女が三十八人ですからな」と、実情を知らないニヤケ面でウーが言った。「きっと、華美で可憐な競技会なのでしょう」
(続く)




