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第十四週:ベールとジャージ(金曜日)

「それでは、私はここで――」と、ベールの女性バデナンダは言った。「門の守衛には『ラケダのリアス王のご子息が来た』と言えば通してくれるでしょう」彼女の指差す先には、王都を廻る高い壁と、その朱色に塗られた南門が見えた。


「一緒に来てくれないの?」と、Mr.Blu‐O。「王宮まで案内して欲しいんだけど」


 このMrの問いにバデナンダは、「都の住民の中には図々しい人間も随分おりますから……」と答えると、レフグリスとショワ=ウーの顔を順にチラと見た後、「私が避けたいのは、そう云う方たちの心ない噂話や陰口……」と、言った。「――どうかご理解下さい」


 そうベールから覗く朱色の瞳を涙で潤ませられてはMrも弱い。「なら、仕方ないけど……」と、その金色の頭を掻きつつ、「――行き方だけでも教えてくんない?」と言った。


     *


 朱色の南門を過ぎると、すぐに見えたのは小さいが立派な運河であり、そこから引き揚げられたばかりの数隻の船であった。


 そうして、その船の手入れをする漁師たちの横の狭い通路を通って行くと、次に見えて来たのは、ここの海神を祀るお社とその傍らの集会場である。道は石畳で、先ほどの漁師たちの家族でもあろうか女性たちが船具・漁具の手入れを行っている。――『ここは本当に惑星「エシクス」だろうか?』と、Mrは訝しんだ。自分の種族も慎ましい生活を旨としていたが、それでも科学技術の恩恵は街のそこかしこに見られた。


 しかし、ここの住民の生活風景は、まるでレベル5……いや、レベル6の惑星のそれに近い。ここは本当に、銀河にその才知を馳せたエルテス王の都なのだろうか……?


 彼女は、そんなことを考えながら歩いていたが、暫くすると、バデナンダの言った通り、地神を祀るエイキス・ポプラの林と見事に茂った果樹園。そうして王の屋敷が目に入った。


(続く)

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