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第十四週:ベールとジャージ(火曜日)

「可憐だ……」と、ショワ=ウーは呟いた。「ほの暗い洞の奥深く、その身を包んだ紺のベールから覗く淡白い肌と朱色の瞳は――」


「あのさ、ウーさん」と、この呟きを遮るようにセイ・カハがツッコミを入れた。「それ、そろそろ止めてくんないかな」


「それ……?」


「その『まるでルルナイ宮の云々』ってヤツ」


「何故だ?」


「字数を持ってかれる上に、作者がそろそろシンドイってさ」……あの、あんまり楽屋落ち的発言は……「しかも、そう云う文章は苦手らしいぜ」……ええ、実はそうなんです。


「と云うことで、ここはあたしが、」と、Mr.Blu‐Oが、「話を聴いて来ますかね」そう言いつつ、洞窟の奥で祈りを上げ続ける女性の元へと向かった。――何故か惹かれる印象を、彼女の歌から受けたからである。


     *


「私の名前はフェファン・バデナンダ・メントス」と、ベール姿の女性は言った。「この名前からもお分かり頂けるかと想いますが、我が父母は、私がこの世に生を受けたこと自体を忌み憎んでおりました」


「名前?」と、小声でウーが訊いた。


「《バデナンダ》ってのは、この宙域の方言で、『嫌われる』とか『疎まれる』とかって意味なの」と、Mr。「……だったよね?」


 すると、このMrの言葉に女性は、過去の様々な記憶が蘇りでもしたのだろうか、両手で顔を覆うと、「その通りでございます――」と、今にも泣き出さんばかりの声で言った。「ああ、しかし、女に生まれるとはなんと悲しく辛いことでございましょうか?我が父は、こんな娘でも嫁にやれば金になるとでも想ったのでしょう。嫁に行け、文句は言わさぬ。と、未だ会ったこともない殿方との結婚話を持って来たのです……よよよよよ」――この人、なんでこんなに前時代がかってんの?


(続く)

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