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第十三週:マスクとゴーグル(木曜日)

 さて。――何の話をしていたんだっけ?


 うん?――そうそう。レフグリス=リアスの結婚・求婚者問題についてであった。


「その三十八人全員と結婚すれば良いではないか」と、これはショワ=ウーの意見。「我が父王などは四十二人の妃に子供は八百万だぞ」――まあ、君の所はかなりアレだからね。


「まあ、それが一番問題も少ないんじゃないか?」と、これはセイ・カハの意見。「ウチの一族は結婚とか家族とかって概念がそもそもなかったからよく分からねえけど」――君の一族は《青い光》の集合体だったもんね。


「コー・ホー(訳:でも、一対一の結婚ってのも良いわよ)」と、これはMr.Blu‐Oの意見。「コー・ホー(訳:『死がふたりを分かつまで』って誓いを立てるの。ロマンチックよ)」…………結婚したことあるんですか?……一代目と四代目の時?へー、……子供もいるの?!


「コー・ホー(訳:それはさておき)」と、結婚など夢のまた夢であるアイスオブシディアン(九才八ヶ月)が言った。「コー・ホー(訳:そろそろ場所を変えませんか?)」――レフグリスの発する生化学物質のせいなのだろうが、テーブルの周囲には灯蛾の如くお姉さま方が群れ集って来ていて、一応女である自分には大変肩身が狭い。


「ああ、これはすみません」と、膝に手を当て席を立ちながらレフグリスが言った――この所作だけでMrの百倍は色っぽい。「一人の時は気配フェロモンも抑え易いのですが、つい熱っぽく語ってしまったようで……」


 それから彼は、周囲を取り囲むお姉さま方に分け隔てない微笑みを送ってから、「それでは、続きは私の部屋で――」と、当人も気付かぬうちに『オホーゲイツ食堂』をバラで満開にさせながら、アイスたちを誘った。


「なあ、」と、食堂を去りつつセイ・カハが言った。「お姉さま方の目線が痛いんだけど」


(続く)

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