第十三週:マスクとゴーグル(水曜日)
「おお、これはなんと見目麗しい」と、開口一番、レフグリス=リアスは言い、「丁度、ウー殿から貴女のお話を伺っていたところなのです」と、Mr.Blu‐Oの手を取りながら彼女に席に座るよう促がした。「《時主》の方にお会いするのは初めてですが、まさかこれ程お綺麗な方とは――」
「え?そ、そう?」と、握られた手を若干緊張させながらMr。「――そんな風に言われたん初めてですよ」……まあ、女の身体になってからずっと隠居してたしね。
それからレフグリスは、マスクとゴーグル姿のアイスオブシディアンにも目を向けると、「ああ、これは何と可愛らしい」と、彼女を抱きあげながら言った。「まるで小さな暗黒卿だ」……それは褒め言葉なの?
「コー・ホー(訳:ありがとうございます)」と、アイス。「コー・ホー(訳:こちらこそ、お会い出来て光栄です)」
「アッハッハッ。なんと滑稽味のあるお嬢さんなのでしょう」そう言って彼はアイスを椅子に座らせると、「なにか、飲みたいものはあるかい?」と、彼女の目を(ゴーグル越しに)まっすぐ見詰めながら尋ねた。
すると、その微笑みと優しい声を周囲で見聞きしていた女性たちは、ある者は恋に落ち、ある者は嫉妬に狂い、ある者はお通じが改善し、ある者は数カ月ぶりに生理が戻り、ある者は《クラ〇が立った》的奇跡を目の当たりにし、花は咲き乱れ、鳥は歌を歌った。
そして、流石のMr.Blu‐Oも、やはり我慢が効かなくなったのでもあろうか、「ちょ、ちょっとゴメン」と言ってイソイソと席を立つと、腰に巻いた四次元ウェストポーチから最後の一組となるマスクとゴーグルを取り出し、ビビビッと例のレンチで自分用に調整した上で、きっちりシッカリ隙間なく装着してから席に戻って来た。「コー・ホー(訳:お待たせしました。続きをどうぞ)」
(続く)




