第十二週:レオンとマチルダ(火曜日)
「それで……」と、酒を断ったハズの顔を赤くしながらショワ=ウーが訊いた。「アイスオブシディアン殿は?」
「ああ、」と、口に入れ掛けたムラサキ草木クサ団子を皿に戻しながらMr.Blu‐Oが答える。「流石のあの子も疲れたらしゅうて、まあだベッドの中」
「そうか……」と、ウー。そのにやけた横顔がちょっとムカつく。
と、そんなウーを横目に見ながらセイ・カハが、「なあ……」と、Mrに声を掛けた。「ちょっと、二人で話せるか?」
*
「あのさ、」と、食堂の物陰に隠れながらセイは言った。「オレは光だからよく分からねーんだけどよ」うーん。上手い言葉が見付からねえが……「マズいんじゃねえか?」
「なにが?」と、待望のムラサキ草木クサ団子を口いっぱいに頬張りながらMr。「――ミズチを倒して、装置を拾って、報奨金もたっぷり――もちろん彼にも分けるけどね」
「いや、そっちは良いんだけどさ、あの兄さん、ほら、あの、オレは光だからよく分――」
「アイスに惚れてる?」と、三つ目のクサ団子を口にほうり込みながらMr。
「そう、それ。……分かってんじゃねえか」
「あたしの計画だもんね」
「……だから、あの兄さんの惚れっぽい性格を利用したのは分かるけどよ――だからこそマズくねえか?三十とかだろ?あの兄さん」
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「彼女の肌の白さ、それは例えるなら闇の中銀色に光るハドルツの月、しっとり濡れた黒髪はルルナイ宮の女神を想わせ、その柔かく透き通るような深く黒い瞳は、そう、まるで氷種黒曜石の如く……」と、酒は断ったが自分に酔ってウーは歌う。「彼女ならば、父王もタルヤ様も認めてくれるであろう」
「……な、マズイって」と、セイは繰返した。
(続く)




