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第一週:時間旅行とオリンピック(金曜日)

 さて。しかし、たとえ『腐るほど金を持ったアホを見返してやりたい、腐るほど金を持ったアホが誘致する祭典』が現在の『大銀河グレーテストオリンピック』の正体であったとしても、その『アホが誘致する祭典』における四百年に一度の経済効果は――言い忘れていたが、この祭りは四百年に一度、東銀河帝国と西銀河帝国の版図を行ったり来たりして行われます――その経済効果は計り知れぬものがあり、主にその恩恵に大変結構な感じで浴するレベル1~1.5の惑星にとっては、(その他の惑星の都合はさておき)諸手を挙げつつ五体投地してでも成功させたいイベントなのであった――特にこの二百五十年ほどは、東も西も不景気が続いていたからね。


 ただ問題は、この恩恵に大変結構な感じで浴するどころかとばっちりを喰らう側の惑星たちである。急な立ち退きを迫られたり、放射性物質を撒き散らすタイプの選手団(北ダモグラン星人とか)の宿泊惑星になったり、大銀河競技場横の外部化粧室設置のために惑星そのものを破壊されることになったり、と散々な目に合わされることになる。


 ちなみに我らが地球はこの三番目に当たっていたのだが、不幸中の幸いとでも言うか、地球上で最も高度な知性を持つ五つの動物種――それはつまり、犬と猿と雉と亀と蛙なのだが――が協力し、東銀河帝国土建事業部地域事業課とズブズブの癒着関係にあったゾウリンダイ星人の会話データを入手、地球破壊の日時を事前に知ることが出来たのである。


 もしこのデータを入手出来ていなかったなら――旧来のお役所体質がまったく抜け切らない東銀河帝国土建事業部地域事業課及びその発注先は、きっと工事開始四十二分ぐらい前になって初めて地球人類にこの旨を通知したことであろう。そう。地球人類は犬と猿と雉と亀と蛙のおかげで絶滅の危機を回避、宇宙へ避難することが出来たのである。


(続く)

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