表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/321

第九週:嘘と演技(木曜日)

「ゴコシチンシンヤチマタミズチ?」訝しそうな表情でショワ=ウーが言う。「いや、初めて聞いた」――少なくとも、王宮図書館の『マンガで分かる大銀河動物大辞典 (怪獣・狂獣編)』には載っていなかったように思う。


 食事を中断された彼が呼ばれた総司令官室には、会議用のテーブルにウーの他にオーガナ姫とそのヒラメ型宇宙人の秘書、それに人型の老人が一人座っていて、出入口扉の前には堅甲利兵を絵に描いたような大型のサイ型宇宙人が二人、腕組みをして立っていた。


「ひょっとすると、他の星系では別の名で呼ばれているのかも知れませんが――」と、深みと知性と教養を感じさせる声で老人が言った。「大地を覆う巨体に赤い炎をまとった、八つ頭のバケモノです」


「……巨体とは?」と、ショワ=ウー。


「体長で言うと約1km」と、老人が答える。「体重は……我々の測量では88tほどですが、無重力フィールドでも発生させているのか、空を飛ぶことも出来ます」


「なるほど……」と、ショワ=ウー。背筋に冷たいものを感じつつも、胸の辺りが熱く高鳴って行くのが分かった――三つ頭の黄金色ドラゴンなら倒したことがあるが、八つ頭は初めてだ。しかもあちらは空を飛ぶのに翼を使っていた。


「グラビティ光線とかは?」ウーが訊いた。


「はい?」虚を突かれた感じで老人が訊き返す。「……グラビティ光線とは?」


「ああ、すまない。以前倒したバケモノがそういう名前の光線を吐いたんだ」と、ウー。


「なるほど……」なるほど。この人も想像以上の化け物のようだ。「そう云う意味では……身にまとった炎を八つの口から吐き出すことはありますね」


 プシュ。と、総司令官室の扉が開き、金髪の老婆と、彼女とは対照的な黒髪の少女が中へと入って来た。



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ