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第八週:死者と死闘(水曜日)

 生者と死者の境界を明確にしておくことは、例え彼らが互いの存在を認識していたとしても、大変に大事なことである。


 と云うのも、この境界を明確にしておかなければ、生者は死を怖れず、死者は次の生に向かおうとせず、彼らは協力してエントロピー増大の法則を破ろうとするからであり、その抵抗は宇宙と知的生命体との――え?「エントロピー増大の法則ってなんですか?」


 えーっと……ザクっと言うと、『物事は放っておくと乱雑で無秩序で複雑な状態になろうとする』って法則でして、これは宇宙が膨張し続け――え?「その長ったらしい講釈を聞かないと本編は楽しめないのか?」


 ああ……いや、楽しめないことはないですが、知っていた方がより――え?「だったら要らない」?「必要になったらググる」?


 でも……せっかくですから――「いいから話を進めろ!!」?……分かりましたよ。


 えーっと、つまり、《適切なルール》を完全無視したイン=ビト王が『ハドルツ』から亡くなった奥さんを連れ帰ろうとした結果、彼らの惑星と『ハドルツ』の交流はほぼほぼ完全ストップになったんですね。ですから、


「オカンのおるハドルツに行きたい」と、訴えた息子に対して当のイン=ビト王が、「だったら、この惑星から出てけ!」と返しちゃったのは、本当に逆切れみたいなもんなんですよね――この王さまが原因で息子は母親に会えないワケですから。


 ただ、まあ、でも、そうは言っても、父は父ですし、王は王ですから、「出てけ!」と言われたら息子は出て行くしかありません。


 そこでショワ=ウーは惑星から追い出され放浪の旅へと出ることになるワケですが……ちょっとその前に、兄弟たち――と言っても八百万もいるので、一番近いイル=ミトだけにでも別れの挨拶をしておこう……と、彼の住む王宮へと向かうことになります。



(続く)

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