第八週:死者と死闘(火曜日)
では次に『なぜ彼らが呉弁と広島弁が雑ざったようなきったない言葉を使っているのか?』だが、これは、彼らの住む惑星が銀河の中心から少しばかり離れた位置にあるため、作者の持っている旧型の翻訳機では銀河公用語への直接翻訳が難しいからである――え?だったらそこから銀河公用語に直せって?――イヤですよ、そんなめんどくさいこと。
で、最後に「オカンのおるハドルツ」についてであるが、昨日のこの連載でも書いたとおり、彼らの母君イン=ティドは、彼らの生まれる数週間前に炎に焼かれ亡くなっている。
なので、この『ハドルツ』と云うのは、我々の世界で言うところの『あの世』とか『常世』とか『妣が国』とかと呼ばれる場所のことである――あるのだが、我々の場合と少々事情が違うのは、その場所がここでは実際に存在する『ハドルツ』と云う惑星であり、その惑星のことを父王以下皆が承知していると云う点である。なので――。
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「ワシャあ、オカンのおるハドルツに行きたい思うとんねん」と、涙ながらに訴えるショワ=ウーに対して父王イン=ビトは、「そないにワケの分からんことぬかすんやったら、この惑星から出てけ!」と、大層ご立腹のご様子で答えた――が、これは実は、ほとんど逆切れに近いものであった。
と云うのも、先述のとおり、彼らの世界では『ハドルツ』は周知の惑星であり、それどころか数年前までは、《適切なルールの下》での交流が普通に行われていたからである。
人々は年に二度、《適切なルールの下》で故人と再会し、時には『ハドルツ』に滞在することすらあったのである――が、その交流は数年前にピタッと閉ざされてしまった。
と云うのも、当のイン=ビト王が亡き妻恋しさに、彼女を『ハドルツ』から連れ帰ろうと、《適切なルール》を破ったからである。
(続き)




