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第六週:仲間と不老不死(金曜日)

 コンパルディノス二世の版図巡行の理由について、以前私は、「実際のところ史書には何も書かれていない」と説明したが、これについては依然として間違いはない。


 ただ、史書や歴史的資料とは別に、民間に流布した巷説の一つに、大変興味深いものがあったので、ここで紹介しておきたいと思うが、それは、『不老不死、或いは、生まれ変わりの技術を探すため』と云うものであった。


 確かに、Mr.Blu‐Oの例でも見たように、広い広い宇宙には、生まれ変わりを行う種族や、不老不死に近い種族、はたまたオオツタハコバツバメバチのメスのように生れ付きタイムトラベルを行える種族もいたりする――が、あくまでこれは彼ら彼女らの特性であり、他の種族に応用出来る代物ではない。


 なので、やはりこれは巷説の域を出ない代物なのであるが、それでも、私がこの説を紹介したいと思ったのは、この説が語る皇帝の動機がとても興味深かったからである。


 そう。この説に依ると彼は、『不老不死の男性に恋をしてしまった』ため、彼と同じ『不老不死、或いは、生まれ変わりの出来る身体を手に入れたい』と願ったそうなのである。


     *


「これが?」と、疑念と嘲笑の間でコンパルディノスが訊いた。「お前の仲間?」


 宇宙服のヘルメットが遮光モードになっているので顔は見えないが、どう見てもヒト型の子供――しかも女の子供であろう。こんな大それた襲撃計画に参加させるには、ましてやセイの仲間を名乗るには余りに幼過ぎる。


「オレの?」皇帝の質問に答えるため、ではなく、自身に問うためセイ・カハは、その小さな疑問を繰り返してみた。「……仲間?」


『逃げて下さい』と、少女が合図を送る。『……あとは私が』


 それに対してセイ・カハは、


『一緒にやろう』と、合図を返した。『……仲間じゃないか』



(続く)

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