第四週:光と九生(金曜日)
「オレが最後の一人だった」と、セイ・カハは言った。「一族のほとんどは、コンパルディノスの旗艦『ティノープル』が発生させた中型のブラックホールに飲み込まれた。それから、残った十一人を、強力なフォースフィールドで囲ったある惑星の上に放るとヤツは、『お前たちを捕まえるのは私の役目だ』と言ったんだ。『存分に逃げろ――』ってな」
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『知性を持った光』であるセイ・カハたち《サカタッティ》にも変えられなかった性質があるが、それは「光は空間に沿って進む」という大原則である。
つまり、いくら彼らが質量のない光であったとしても、歪んだ空間の影響を受けないわけにはいかず、そのため、無限に続く底なし井戸のようなブラックホールの近くを通れば、そこでその穴に捕まってしまうのである。
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「それから『事象の地平線』より内側に入れば、永遠に外に出ることは出来ない」と、セイ・カハは続けた。「――で、その直前に、オレはこのひとに助けてもらったんだ」
彼はそう言って、Mr.Blu‐Oの方にひと筋の青い光を向けた。
青い光を向けられたMr.Blu‐Oは、照れ臭いのだろうか、少しおどけた調子で、「せやさかいな、嬢ちゃん」とアイスオブシディアンの方に向き直って言った。「つらいんはアンタだけやあらへん。勝てん戦はせんし、長いもんには巻かれるんや。星は無くなったかも知れんが、命があっただけめっけもんやで」――と言って、さて、この子がどう出るかやけども?
そんな彼女の意図を知ってか知らずか、アイスオブシディアンは、少しだけ考えるふりをすると、「なるほど――」と、ワザと大きく肯いてみせた。「では、私とセイさんの利害は一致しているんですね?」
(続く)




