第四週:光と九生(水曜日)
ここで、少し話を整理しておきたいと思う。
何の話を整理しておくのかと云うと、それは『アイスオブシディアンのかたき討ちの相手は誰か?』という話の整理である。
ご存知のとおり、地球を跡形もなく消し去ったのは東銀河帝国土建事業部地域事業課と、そこの課長とズブズブの癒着関係にあったゾウリンダイ星人の下請け事業者である。
「なら、そのゾウリンダイ星の事業者がかたき討ちの相手か?」とMr.Blu‐O。
「いいえ、彼らも仕事を行なっただけ。彼らを倒しても新たな下請けが現われてくるだけでしょう」と、アイスオブシディアン。
「なら、発注元の地域事業課なり土建事業部なりか?」と、ふたたびMr.Blu‐O。
「いいえ、彼らはその小役人体質から何も考えずに計画を立て何も考えずに実行しただけ。問題はもっと上」と、アイスオブシディアン。
「もっと上?」と、誰に問うでもなくMr.Blu‐Oはつぶやいた――なるほど、このお嬢さんは想像以上に肝が座っているようだ。
「比土建事業部高……?」そう言って渾さんもハッと気付くと、アイスオブシディアンの肩をつかみ「最好停下來!」と言った。
「わたしもそう思うよ、渾さん」とMr.Blu‐O。「あまりにも相手が悪い」――が、なかなか楽しそうな話ではある。「前の私でも躊躇したかもね」
「しかし、」と、アイスオブシディアン。「父と――父を追って死んでいった母の無念を晴らす方法はこれしかありません」心配してくれている渾さんの手と視線が少し痛い。
パンパン。と、Mr.Blu‐Oがその両の手を鳴らし、「セイさん!いる?」と言って、先ほどの青く大きな光を呼び出した。
呼ばれた青い光は、そのサイズを人と同じぐらいにして部屋の入口に立つと、「東銀河帝国の皇帝を殺したい?」と言った。「なかなか剛毅な話じゃないか、嬢ちゃん」
(続く)




