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第四週:光と九生(月曜日)

「そんなもん、断わるに決まっとろうが」と、その女性――Mr.Blu‐Oは言った。彼女は板間に座したままで、客人に合わせ立ち上がろうとするそぶりすらも見せない。


 ここは海中に造られたMr.Blu‐Oの隠居所――とされている場所である。が、しかし、そこに座る相手は、『Mr.』の称号にも関わらずどう見ても女性で、且つ、隠居をする年のようにも見えない。


「請不要那樣說」と、アイスオブシディアンを擁護するつもりで文身の男性が言う。「她說――我從遠方而來」


「あんな、渾さん――ってアンタ息子さんか?」短く刈った金色の髪の毛を掻きながら女性は言う。「遠路はるばる来た言うたかて、こないな大層な話、『はい。そうですか』って二つ返事するワケにもいかんやろ」


「しかし先生が、」と、アイスオブシディアン。「あなたなら力になってくれると――」


 と、そう言われて彼女は、ひざの上に置いたままにしてある緑の老人からの紹介状を一瞥すると、「ヨー……余田のじいさんも耄碌したんやろ。こないな小さな子のかたき討ちを手伝えて――」と言った。「大人なら、忘れろっちゅうんが正しいんとちゃうか?」


「然而、」と、文身の男性――混さんは更に擁護を行おうとしたが、アイスオブシディアンがそれを止め、「わたしが、先生に無理を聞いて頂いたんです」と言った。


 この言葉に女性は、「……あの余田が?」と、一瞬驚いた様子だったが、そう言った自分に自分の鼻で笑ってから、「――そりゃ、いよいよもってボケたんやろうな」と、その蒼く蒼い瞳を大きく見開きながら言った。


「ボケ?」自分のことはともかく師匠の悪口は許せない。女性に言い返す言葉をアイスは探していたが、それより先に彼女が続けて、


「それにそもそも、アイツが知っとんのは、前のアタシや」と、言った。



(続く)

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