第三週:海と文身(金曜日)
「火山旁的」体に入れた文身と同じ青い色の瞳がアイスオブシディアンを見詰める。
「火山旁的」と、アイスオブシディアンが、そんな彼の彼の口調を真似ながら応える。
「火山旁的聖母教堂」と、彼は言い、
「火山旁的聖母教堂」と、彼女が返す。
「附近紅洞的藍龍教堂」
「附近紅洞的藍龍教堂」
「以及藍榛海」
「以及藍榛海」
「附近的劇烈旋轉。」
「附近的劇烈旋轉。」
「你準備好了嗎?」と、彼が彼女に訊いた。
「はい。大丈夫だと思います」と、彼女が返す。
すると男性は、銛を持って立ち上がると、アイスオブシディアンにも立ち上がるよう促がした。
それから彼は、目の前に広がる海と、それと同じようにどこまでも続く空とが、その端と端を溶け合わせているであろう場所に向け、そこに届くようにとの祈りを込め、「這是我村的名字!」と、体全体を震わせながら、海と空とを震わせながら、力の限りに叫んだ。
それから彼は、自分の声が海と空に溶けて消えて行くのを待ってから、隣に立つアイスオブシディアンの肩にそっと手を置くと、小さな声で「我們走吧」と言った。
その彼の言葉を合図にふたりは、先ほどの言葉――それは彼の住む村の名前なのだけれども――を体全体を震わせながら叫んだ。
「火山旁的聖母教堂!附近紅洞的藍龍教堂!以及藍榛海附近的劇烈旋轉!!」
直後、どこまでも続く海と空との境界線が割れたかと想うと、それに続く形で青く大きな光の束が海を二つに割りながらふたりの乗る船の方へと飛んで来て、
「そないにデカい声出さんでも聞えとるわ!このデカチン!!」と、言った。
(続く)




