表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第四章『聖なる者』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/194

四章 第十話 シーン1〜2



 静かなる帝剣の目の前に、三人の聖剣が集っていた。

 ラファはマリーと激論を交わす。その議題は考えるまでもない。


「やはり帝剣に問題があるか、父上が何か策を講じたか……」

「あるいはゼオが指示を無視したとか?」

「それは無い。奴は裏切るとしても、堂々とそれを言ってくるだろう」

「あー。まあそれは確かにね。愚直がモットーみたいな奴だし」


 何故ゼオは敗れ、持ち去られたか。

 その議論にリーネが口を挟む。


「あの〜、もしかしてなんですが〜」

「なんだリーネ。意見があるなら言え」

「まだ〜帝剣様の予想通り〜。と、言う事ではないですか〜」


 ラファが聞くとリーネが返事した。

 彼女の意見は帝剣が、ゼオを奪わせた──と言う事だ。無論その理由も考えていた。


「ゼオお兄様が生還すれば〜、あちらの情報が得られるのでは〜?」

「工作員にしたということか?」

「そうですね〜。平たく言うとですが〜」


 リーネに言われ、ラファは腕を組む。


「確かに。あり得そうな発想だ」

「そうね。私もそれはそう思う」


 そしてラファもマリーも同意した。

 確かにゼオは全力で戦い、その上で連合に奪われた。それに帝剣ならば脱出の、手引きも難しくはないだろう。


「帝剣の思惑は計り知れん。ここはまだ従っておくべきか」


 ラファは帝剣を見上げて言った。



 その頃──クーダーの会議室。ガルグ達作戦の参加者と、倒されて奪われたゼオが居た。


「父上ですか。お久しぶりですね」

「お前にオヤジと呼ばれると、なんかこう違和感が生じるな」


 ガルグはゼオの言葉にそう返す。


「ゼオは──お父様のお父様。その姿を模した聖剣ですの」


 そのワケをルナが補足した。


「へえ。あんまり似てない感じよね」

「ふ。目つきの悪さはそっくりだ」


 するとマユとアズマが好き勝手、ガルグの後ろで言っている。

 しかしガルグはそれを無視し聞いた。話を前へと進めるためだ。


「おいゼオ。帝国は今どうだ? 可能なら内情を聞きたいが……」

「断る。俺は帝国の剣だ」

「ま、お前なら言うと思ったが。それなら黙って聞いていろ」


 ガルグはゼオにキッパリ断られ、それでもニヤリと笑って言った。


「そもそもお前ら聖剣は、帝剣の危険度がわかってねえ」


 そして帝剣について語り出す。


「どーせお前ら馬鹿のことだから、上から順に人類の存続。世界平和とか願ったろ。で、三番目が政治関係だ。たぶん聖剣が人類を、導くとか大体そんなんだろ」

「それが?」

「お前らも知っての通り、一番目の目的が優先だ。つまり人類存続のためなら帝国も聖剣も無視される」


 ガルグは彼等の知らないことを、帝剣から直接聞いていた。


「因みにドワーフ共はそのせいで、自らの国を滅ぼしたからな? 奴らの一番目の目的は、神聖視する山を守ること。二番目がドワーフの繁栄だ」


 帝剣を作ったドワーフの国。それは帝剣によって消え去った。ガルグの推測ではあるのだが。


「だがドワーフが繁栄していくと、いずれは自然との調和を捨てる。帝剣はそれを悟ったらしい。同じ考え方の部下を増やし、一気にドワーフ共を滅ぼした」


 ガルグはゼオに結論を告げた。

 しかしゼオには疑問があるようだ。


「だが目的は変更出来るはず」

「あのなあ。少しは考えろ。帝剣もそれは知っているんだよ。目的を変更されないように、振る舞うくらい奴ならワケはない。つまり実際は一番最初に、設定した目的が果たされる。それ以外はおまけみたいなもんだ」


 その疑問もガルグは解決した。

 さて、ここからが本題だ。つまり帝国がどうなるか。


「良いか? ラファは賢論種は馬鹿で、導きが必要だと思ってる。マリーは同じ様な考えだが、自分でやるのは死んでも嫌だ。アイツは自由が好きな奴だしな。で、お前は難しいことよりも目の前の物を守りたい。最後にリーネは戦争嫌いで、既に帝国を裏切った」


 ガルグは、聖剣を知っていた。彼等はガルグを切り取った物だ。

 故に考え方も結論も、おそらく未来すらも予測出来る。


「人類の存続と世界平和。それをやるのに適した指導者がもしラファでなくて俺だった場合、帝国で消えるべき者は誰だ?」

「ラファと、マリーか?」

「残念外れだ」


 ガルグはゼオへと結論を告げる。


「人類の存続に要らない物。それはラファと──そして帝剣だ」


 ガルグは一切笑うことはなく、ゼオを険しい視線で貫いた。


感想評価お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ