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装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第四章『聖なる者』

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四章 第八話 シーン3〜4



 宝剣講座を開いたガルグは、製造所で理由を解説した。この講座を開いた理由をだ。


「と、言うワケで聖剣内部でも考えが少し割れている。それも含めて説明するために、お前らを呼びつけたと言うワケだ。因みに聖剣と魔剣を足して、宝剣と呼んでやることにした。納品時の名前は『竜殺し』──だが今の実体と合わないしな」


 ガルグは纏め、そして開始する。


「つーワケでまずは基本から。聖剣と魔剣は十個に割れた巨人の核を元に打った物だ。聖剣が五本。魔剣が五本。全部で十振り作られた」


 これが宝剣の基礎知識である。

 すると早速一人が手を挙げた。エルフ族の姫、エルリアだ。


「はいはい! お兄様! お兄様!」

「俺が当てるまで発言するな。が、まあ良い。エルリア。言ってみろ」

「聖剣と魔剣って言いますけど、具体的な違いはなんですか?」


 許可を得てエルリアは口にした。


「エルリアらしからぬ良い質問だ」


 ガルグもそれは言うつもりであった。


「聖剣とか魔剣とか分けたのは、そもそも納品国の人間だ。おそらく扱いやすさとか、性格で二つに分けたんだろな」

「つまり?」

「この二つに違いは無い。無論本質的な意味でだが」


 ガルグはエルリアに対して言った。

 事実現在はルナとロン、そしてアリスが連合側に居る。


「よし。じゃあ話を本筋に戻す。今から俺が製造した順に、宝剣の名前と愛称を言う。各自一回で覚えろよー」


 そして宝剣の名前を並べる。


「まずは正式な名前から。魔剣クルエルナ、聖剣ラファール、魔剣ロダロン、聖剣ゼオニルス、魔剣ナオルザン。聖剣フェルトマリー、魔剣メイメリル、魔剣ファルグレナ、聖剣アルトリーネ、聖剣フィリアリス。これが正式名称だ。次に愛称はルナ、ラファ、ロン、ゼオ、ナオ、マリー、メイ、レナ、リーネ、アリス」


 これが全ての宝剣の名前だ。この内の実に七振りが、連合と帝国に存在する。


「お前らも知っているとは思うが、こっちにある宝剣は三本だ。ルナ、ロン、アリスだな。で、帝国はラファ、マリー、ゼオ、リーネ。聖剣共が集まっている」


 ガルグはその宝剣の内訳を、講習会のメンバーへと言った。

 すると今度はリリエが手を挙げる。


「なんだリリエ?」

「えと、疑問なのですが。前から不思議だったのですけれど、帝国の聖剣に持ち主は──主となる人は居ないのですか?」

「居ないな。リーネからの情報じゃ、全員単独で動いてやがる」


 ガルグはその疑問に返答した。

 しかしそのガルグ自身にも、疑問が生じたので聞いてみる。


「そう言やルナ。聖剣は単独で機兵を使ってやがるよな? やろうと思えばお前も出来るか?」

「難しいですが、出来ますの。ただあそこまでの性能となると、それなりの作りが必要ですの」

「なるほど。帝剣の設計か。それなら、あの性能も納得だ」


 ガルグはルナに聞いて納得した。

 そして講習会は続いて行く。とは言え主要な解説は述べた。



 キラキラと光るエルフの森の、夜に一人マイラが歩いていた。マイラはムース・コロニーのエルフ。メガネのグラマラスな女性である。

 姫の護衛であるマイラが一人。少し、違和感のある光景だ。

 そのマイラは森の端まで歩き、胸に手を当てて呟いた。


「通信がまだジャミングされている?」

「ご名答。ようやく気付いたか」


 ガルグはその疑問に回答した。

 その手に持ったルナの刀身を、マイラの首筋へと宛がって。


「まさか、私がつけられるなんて……」

「悪いが俺の得意分野なんだ」


 ガルグは狩人兼暗殺者だ。その上何百年と言う間、多種族の追跡を躱してきた。そんなガルグにとってマイラなど、まだまだ隠れん坊初心者だ。


「しかしまさか護衛がスパイとはな。最近のエルフはどうなってんだ?」

「ハーフのお前に言われたくないわ」

「ま、お前らからすればそうなるか」


 ガルグは言って妙に納得した。共和国連合に慣れていたが、これが普通のエルフの反応だ。


「それで? 殺す気なら殺しなさい。それとも捕まえて、痛めつける?」

「いいや。お前は役に立つ。よって俺はお前を殺さない」


 ガルグはマイラに聞かれて言った。

 だがコロニーを裏切ったエルフだ。そう簡単に寝返るワケもない。


「今更私が寝返ると?」

「ああ。お前は必ず寝返るぞ」


 しかしガルグは笑って言った。


「何故ならお前のお仲間の、命運が握られているからな。お前が消えたとなればお仲間が嫌でもこそこそ動き出す。そこを根こそぎ捕らえさせて貰う」


 それがガルグのやり口だった。仲間というのは頼りになるが、その分大きな枷となる。孤独だったガルグは知っていた。


「では私は……」

「ここでは封印だ。無理だと思うが、悪く思うなよ?」

「待ちなさい。最後に一つだけ」


 ガルグは言ったがマイラが止めた。

 何か聞きたいことが有るらしい。


「貴方、いったいどうやってここへ? 機兵で飛んできたならわかるはず」

「手品の種は明かさない主義でね」


 しかしもちろん手品だ。種はある。

 ガルグはハーフだがエルフの姫だ。今回はそれを利用した。

 聖樹は転移魔法を使用するポータルの役割も兼ねている。そこでまずツリーランドに移動し、そこから大聖樹に転移魔法。更に、大聖樹や御神体はアウラ・スポットの上に有る。つまり星の魔力の流れにより、繋がっていると言う事だ。そこで姫のアメリの許可を得て、大聖樹から大聖樹に飛んだ。

 最初から疑っては居たのだが、何事にも証拠は必要だ。

 と、言うワケで時間も稼げずにマイラは一発で封印された。


「まったく。こう言うのは嫌になる」

「あら。私は大好物ですの」


 ガルグが言うとルナが実体化。嬉しそうに回転して言った。

 しかし彼女もまたガルグの一部。ガルグも内心少しだけ、スカッとした気持ちになっていた。


第八話終。

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