四章 第八話 シーン1〜2
1
前にもこんな事があったような。人はそれをデジャブと呼んでいる。
「とぅっとぅるー。ですの」
「ガルグー」
「ルナのー」
「「宝剣講座〜」」
前と全く同じメンバーで、前と同じ機兵の製造所で、ガルグとルナはそれを開催した。
「パクられたー!」
「エミリー。挙手をしろ。前回と全く同じルールだ」
ガルグはエミリーへと指摘した。
自由に言葉を発して良いのは司会を務める二人だけである。つまり今回はガルグとルナだ。
と、言う訳で早速挙手をしたリリエをガルグは指名した。
「よしリリエ。なんだ? 質問か?」
「はい。講座にではないのですけど……」
するとリリエはおずおずと言った。
「こんなことをしていて良いのですか? もしガルグ様に聞いたとおりなら、早く動いた方が良いのでは……」
「あー。それも今から説明する。と、言うかまずはそこからだ」
ガルグに意見とは育ったものだ。しかも的確すぎる指摘である。思考能力が上の相手には考えさせる時間を与えない。それもまた有効な戦術だ。
しかしガルグにもこんなことをする、理由がそれなりには有るのである。
2
その頃。帝国の玉座の間。
ラファはリーネをそこに呼び出した。それなりに強い言葉でだ。
しかしリーネは少し遅刻して、しかも変わらず呑気にやってくる。
「お兄様〜。呼びました〜?」
「ああ。少し待ったが問題は無い」
ラファはそのリーネに対して言った。
正直少しは苛ついているが、相手がリーネならば仕方ない。それよりも直ぐに本題だ。ラファはリーネにそれを問い糾す。
「リーネ。エルフの森に行ったとき、なにか問題はなかったか?」
「とくにありませんでしたけど〜。なにかあったんですか? お兄様〜」
だが逆にリーネに聞かれてしまう。
普段はとぼけているように見えて、リーネは侮れない聖剣だ。ラファもここは答えるべきだろう。
「ヘイザーの殺害に失敗した」
「あら〜。殺そうとしていたんですか〜?」
「そこからか。まあ良いだろう。王城占拠までは行ったがな。結局父上に取り返された」
ラファは帝剣が失敗したと、要はそのことを疑っていた。
帝国が勢力を伸ばしたのは帝剣の正確さ有ってこそ。もしもその指示に間違いがあれば、帝国の根幹が揺るがされる。
「でも〜帝剣様の指示は確か〜……」
「結果は提示しない。指示だけだ。つまり想定通りと言う事か?」
「はい〜。ずばり、そう言う事ですね〜」
リーネがそんなラファに対し言った。
「確かにこちらには損耗はなく、情報も入手出来ている。所詮『ゼイガスの後継者』など、捨て駒に過ぎないとの判断か」
「私には、わかりませんけどね〜。あと、後継者って誰ですか〜?」
「お前は知らなくても良いことだ」
ラファは勝手に一人納得した。
「それより、お前も指示を受けておけ。一々呼び出す僕の身にもなれ」
「そうですね〜。ではそうします〜」
ラファが言うとリーネは微笑んで、帝剣に通信魔法を使う。
その様子を見てラファは腕を組み、次の一手について考えた。
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