三章 第十話 シーン1〜3
1
いつの時代もどんな世界でも、病人は暇なものである。頭はぼんやりしているし、体を動かすのは厳禁だ。
ガルグは相変わらず御神体の、横に置いたベッドの上に居た。
一方、レイは回復してきたかガルグに向けて話しかけてくる。猫寝ポーズのままで、目だけ開けて。
『ガルグ。少し話をしませんか?』
「面白い話なら聞いてやる」
『つまらなければ?』
「途中でふて寝する」
『ふふ。貴方らしい返答ですね』
ガルグが彼女に答えると、彼女は笑ってガルグに言った。
『では、お話を始めましょうか。私が人魚の国に辿り着き、ここに住むようになったそのわけを』
そしてレイが静かに語り出す。
2
レイレリアの話の始まりは、彼女が生まれた時だった。
彼女によると竜の生まれ方は、大きく分けて二種類あるらしい。
一つはゼロから生まれる場合。竜の卵はアウル・スポットなど、星の魔力の濃い場所に生まれる。言わば竜は星の子と言って良い。
二つ目は転生をする場合。竜が、命を落とす時。または自ら終わりを選ぶ時。竜の体は一度分解し、卵として再構成が起こる。確実に起こるわけではないが、そう言う可能性も有るようだ。
レイレリアは後者で誕生した転生竜と呼ばれる竜らしい。そう言う竜は記憶は無いのだが、知識は前の竜の物を持つ。レイが今持つ知識の殆どは、最初から持っていた物なのだ。
とは言えレイも生まれて数年は、無邪気で小さい子供であった。彼女が生まれたのは無人島で、生き物も食料も豊富だった。その上天敵の存在もなく、レイにとってはまさに楽園だ。
レイは体が大きく育つまで、その無人島だけで生きていた。
3
ガルグは始まりの部分を聞いて、仰向けのままレイに向けて言った。
「そろそろ寝ても良いか?」
退屈だ──と、言うほどでもないのだが、本題まであまりにも遠すぎる。
『あら。面白くありませんでした?』
「竜の生態は興味深かった」
ガルグはレイに聞かれ返事した。
竜は人間と関わりの薄い、或いは敵対的な存在だ。その生態は賢論種にとって、一つのミステリーと言って良い。
それが聞けるのも嬉しいが、ガルグはレイの今に興味がある。何故自らの命も顧みず、身を挺し御神体を守ったか。
『大丈夫。直ぐに辿り着きますよ』
そのガルグの心を読んだように、レイレリアは少し笑って言った。
そして話はまた再開される。
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