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装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第三章『青と赤』

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三章 第四話 シーン1〜3



 どうして、こんな事になったのか。今ガルグはティアとマユをはべらせ、二人といわゆるデートをしていた。人魚の国は確かに綺麗だが、出来ることなら一人で回りたい。

 なのに何故デートなどをしているか──その原因はレイレリアにあった。



 サーペントを殺した次の朝。ガルグはレイレリアに呼び出された。もちろんティアとマユも一緒である。

 ガルグはレイレリアの神殿で、朝っぱらから巨体を仰ぎ見る。


「で、何の用だ? 用有るんだよな? 無かったら今すぐ帰って寝るが」

『そう怒ることもないでしょう。貴方にはとても良い話です』


 ガルグがキレると、レイが微笑んだ。いや竜なので表情は謎だが、頭に響く声は笑っている。

 その様子からガルグは予測する。


「じゃあ鎧の解析が済んだのか?」

『いいえ。そちらはまだエミリーが。今日の内に終わると良いのですが』


 だがガルグの予想は外れていた。では一体なんの用が有るのか。


『実はエルギアからのデータを見て、気づいたことがあるので呼びました』

「あー。エミリーに流してた奴だな」


 ガルグはレイに言われ思い出した。

 訓練の際にエルギアの、データをエミリーへと送ったのだ。おそらくサーペントとの戦いも、一緒に解析されているだろう。


「で、そのデータがなんだっつーんだ?」

『ガルグ。貴方はエルギアを……いえティアを使いこなせていません』


 レイがガルグを見下ろして言った。


『本来のティアは貴方の精霊。その魔力を使用出来るはずです』

「竜に魔法学って奴だろうが、一応説明してやろう。人間にも精霊にも固有の、魔力の質ってもんがある。それを戦闘中に合わせるのは、至難の業どころの話じゃない」


 しかしガルグはそれを否定した。

 だが話には続きがあるらしい。


『確かに。容易ではありません。ですが情報を見る限り、それが出来るように創られている。問題は貴方か彼女の意識。若しくはその両方にありましょう』


 つまり精神的な問題で、力を出し切れないと言う事か。にわかに信じがたい話だが、本当ならガルグには朗報だ。


「まあ、その話を信じるとしてだ。どうすりゃ解決出来るんだ?」

『お二人とも、仲良くなりましょう』

「寝る」

『そう言わずにお願いします。これも全ては謎を解き明かし、民の安寧を守るため』

「どんな紐付け方だ。馬鹿なのか?」


 しかしガルグはかなり渋っていた。

 相手がティアかどうかに関わらず、ガルグの協調性はゼロである。人を利用するのは得意だが、関係を築くのは苦手なのだ。

 そんなワケでガルグは逃れるため、無駄と知りながら拒否し続けた。



「どうして、こんな事になったのか」


 ガルグの口から本音が漏れた。

 結局はレイに押し切られ、ガルグとティアは人魚の街に居る。因みにマユは案内役である。


「ちょっと。心の声漏れてるわよ?」


 そのマユからガルグは指摘された。

 だが、ガルグにとても言い分はある。


「大体なんで俺が観光だ?」

「仲良くなると言えばデートでしょ」

「デートじゃねえよ。観光だ」

「どっちでも良いわ。減る物じゃないし」


 マユはガルグの人間関係を、知らないから好き勝手言えるのだ。政略結婚だが妻が居て、エルフ連中にも目を付けられた。これ以上揉め事が増加したら、別の意味で命を狙われる。


「ご主人様。申し訳ありません」


 と、その様子を見てティアが言った。これではまるでガルグが悪者だ。


「いや。お前が悪いわけじゃない」

「そうそう。悪いのは全部ガルグよ」

「うむ。俺が全部……悪くねえ! 悪いのは全部この世の中だ」


 ガルグは心の叫びを吐いた。

 だが心の内をさらけ出しても、事態が好転するワケもない。


「クソ。時間の無駄は避ける主義だ。お前ら、行くならさっさと行くぞ」


 ガルグは言うと街を歩き出した。


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