表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第三章『青と赤』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/194

三章 第三話 シーン1〜2



 ガルグが地上に戻った翌日。まだ太陽が真上に昇る前。ガルグはティアを連れてマユと共に、約束通り海底に戻った。因みにルルはアズマとお留守番。人魚達が軽くトラウマらしい。

 とにかくガルグは神殿に入り、白竜レイレリアの前に居た。


「俺からの条件は提示した。レイレリア、次はお前の番だ」


 ガルグはそのレイに向かって言った。

 その条件は実に明確だ。レアメタルの探索、採掘許可。それと平和条約の締結だ。鎖国的な人魚の質を見て、それ以上は敢えては望まない。


『それでは私からも条件を。可能な限りこの人魚の国を、いえ人魚を護って欲しいのです』

「まあそんなこったろうと思ったよ」


 一方レイの出した条件は、ガルグの予想した通りであった。


「あの魔獣──奴が原因か?」

『当然、それもありますが、時代は動き出しつつあるのです』


 レイはガルグに聞かれ話しだした。


『機兵技術の急速な伝播。魔獣のこれまでにはない動き。貴方自身の存在も含めて、全て繋がっていると見ています』

「他は良いとして、なんでこの俺が?」

『貴方は故郷に舞い戻り、瞬く間に連合を打ち立てた。命を狙われるリスクも無視し、迫害したエルフを救済した』


 レイがガルグに指摘した。

 反論したいところではあるが、藪をつついて蛇を出したくない。


「よく調べてるな。ま、良いだろう。お前の条件、呑んでやる」


 ガルグはレイの顔を見上げ言った。これでこの取引は成立だ。


『では早速儀式を始めましょう』

「具体的に俺はどうすれば良い?」

『なにもする必要はありません。儀式は竜の決意を示す物』

「じゃあなにも変わらないと言うことか?」

『いいえ。私はこの盟約で、より強い力を得る事になる。竜の力は心で変わる物。それ以上言いようがないのですが』

「ま、俺に何も起こらないのなら、俺としては特に言うこともない」

『それでは儀式を始めます』


 レイレリアが言うと空気の中の、魔力が一気に濃密になった。そして神殿が暗くなり、宙に緑の文字が舞い始める。人間でもエルフの物でもない、丸っぽい独特の文字である。


「これは、エルダーの古代文字だな?」


 ガルグは一応、文字を知っていた。

 しかしレイはガルグには答えない。儀式に集中しているのだろう。文字は時と共にその数を増し、そして急にレイへと集束する。

 これは儀式のクライマックスだ。最後に魔力の風が放たれて、ガルグ達の服や髪を揺らした。だがガルグはピクリとも動かない。それがこの儀式への敬意である。

 やがて神殿に光が満ちて、儀式が終了したことを告げる。

 するとガルグの目の前に居たのは、猫並みに小型化したレイだった。しかもなんだか可愛くなっている。


「おいこら。ちっちゃくなってんぞ?」

『これは共に歩むための姿。いつでも元の姿に戻れます』


 言ってレイは元のサイズに戻る。


『それでは、改めて話しましょう。我が盟友、ガルグ・ブレッドマン』


 そしてレイがガルグに対し言った。



 その頃。海の奥深く。妖しい光に照らされた、蛇の魔獣が動きを止めていた。しかし寝ていると言うワケではない。魔獣は鎧を纏う最中だ。

 もちろん魔獣に腕が無い以上、それをするのは蛇魔獣ではない。全身に鱗のある人型の、生き物が鎧を張り付けていた。一応人型ではある物の、爬虫類を思わせる生物だ。それが二匹、金属の板を持ち、器用に魔獣へと張り付けていく。

 その姿を魔獣は目で追うが、彼等は気にせずに鎧を着ける。

 この二つの種族は明らかに、協力関係にあるようだった。


感想評価お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ