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装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第二章『剣』

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二章 第四話 シーン1〜2



 エルフ兵達の魔法によって──急速に修復が進む街。その街の王城前の広場で、ガルグはリリエラと演説をした。ガルグはマントと王冠を纏い、リリエラは真っ白なドレスを着て。

 すると意外にも『レグス』の連呼で、ガルグは盛大に歓迎される。残酷で危険な集団よりも、守ってくれるハーフの方が良い。おそらくそう言うことだろう。それにリリエラの人気も手伝い、ガルグはレグスの国王になった。

 そんなこんなでガルグは壇を降り、置いてあったエルギアへと乗り込む。

 するとアズマからの通信が来た。


「ふ。ガルグよ。良い演説だった」

「アズマ。お前、ホントに覚えてろ」


 ガルグはそれに応対しながらも、エルギアを王城へと歩かせる。瓦礫と化した石の王城に。

 まだセレモニーは終わっていない。むしろこれからが本番だ。


「ティア。王城をスキャンしろ」


 ガルグはティアに対し指示を出した。


「はい?」

「スキャンだ。城を。大丈夫か?」

「大丈夫です。直ぐに始めます」


 ティアは少しだけ様子が変だ。が、おそらく問題は無いだろう。

 実際、スキャン結果が表示され、ガルグはそれを見て魔力を溜める。


「よし。設計は完了だ」


 そしてガルグはエルギアの剣を、地面に向かって突き立てた。


「見さらせ。これが新しい城だ。ガルグ流魔法・王城再建」


 すると巨大な魔法が発動し、瓦礫が宙へと浮き上がる。更に大地から木々が伸び、合わさって新しい城を造る。

 非常に高度な魔法であるが、そこは伝説の鍛冶師イム・フェルム。大工仕事もお手の物である。瞬く間に城が形作られ、国民の視線を釘付けにする。


「聞け! レグス王国の民達よ!」


 そこでガルグはまた演説をした。


「ゼイガスの火が街を焼こうとも、我らは屈せず立ち向かう! この城はその意思の象徴だ! 故に私も改めて誓おう! 街を焼き民を焼いたゼイガスを、私は必ず打ち倒す! そしてこのレグス王国を、千年の繁栄へと導こう!」


 ガルグは力強く宣言した。

 だが当然、これはパフォーマンスだ。国民のレグスコールを聞きつつ、マイクを切ってガルグは呟いた。


「はあ。どうしてこうなった?」


 その問いに答える者など居ない。


「ご主人様。大丈夫ですか?」

「あー魚釣りに戻りたい……」


 心配するティアにガルグは言った。半分白目に成りながら。



 ガルグが王になったその日の夜。ガルグは城に出来た自室に居た。

 そこで自身が造ったベッドへと、ガルグはふらりと倒れ込む。その服装は既に軽装で、いつでも夢の世界にゴー出来る。


「じゃあ俺は寝る。後は任せたぞー」


 実際椅子に座るティアに言った。

 しかしこれは真っ赤な嘘である。これから起こるであろう問題に、対処するための作戦だ。

 それは彼の妻のリリエラである。もちろん建前上の話だが、建前は建前で、恐ろしい。その建前が彼女を呼び寄せて、ガルグに向かって矢を放つ。


「あの……その……ガルグ様。私その……とにかく参りました」


 事実リリエラは来て言った。

 その服装は可愛いネグリジェで、大抵の男なら殺せそうだ。しかしガルグはハーフエルフである。大抵の男には入らない。


「ご主人様は既にお休みです。リリエラ様もお休みなされては」

「あの、貴方は……」

「精霊のティアです。エルギアの中で会ったはずですが」


 そこでティアは見事な演技をした。まさに完璧だ。詐欺師になれる。

 しかしリリエラは帰らない。


「ではこのままで良いので、お話を」


 リリエラはティアに対して言った。

 ティアはあくまでも精霊だ。アドリブなど効くわけがない。


「ご主人様が起きてしまいます」


 と思ったが見事に切り返した。ガルグは心の中で拍手した。

 しかしリリエラはまだ粘る。


「少しだけです。長居しませんから」


 そう言ってリリエラは近づいた。

 ガルグも背にその気配を感じる。彼女は一体何を語るのか。


「ガルグ様。ありがとうございます。私は貴方に救われました」


 リリエラはガルグに対して言った。


「一度目は貴方と出会ったときに。二度目は途方に暮れていたときに……」


 それはガルグへの感謝の言葉だ。しかしガルグには毒である。


「はい、やめやめ! 聞いていられるか! お前は俺をかゆ死にさせる気か?」


 ガルグは飛び起き彼女を止めた。


「ガルグ様。起きていらしたのですね!」


 すると彼女は素直に驚いた。

 ガルグが苦手とするタイプである。


「ええい、俺に感謝するのは止めろ。それと様もだ。王として命じる」

「それでは……私のことはリリエと。愛称です。私は妻ですから」


 次々と毒矢を連射してくる。リリエラ改めリリエは悪魔だ。人によってはおそらく天使だが。


「たく。だいだい、なんで夜に来た?」

「殿方が喜ぶと聞きました。あの……喜んで頂けましたか?」


 水清ければ魚棲まずと言うが、これは太陽光より強力だ。ガルグはこのままでは殺菌され、リリエに対し懺悔しかねない。或いは理性を失うかである。


「その台詞、男には二度と言うな」


 ガルグは立ち上がり、リリエに言った。

 そして今度はティアに指示を出す。


「ティア。助かった。お前は待機だ。俺はこいつとちょっと出かけてくる」

「わかりました。お気をつけください」


 なんだか少し寂しそうだったが、おそらくガルグの気のせいだろう。


「行くぞリリエ」

「あの……どこへですか?」

「ここより楽しい所にだ」


 ガルグはリリエに対して言った。


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