二章 第二話 シーン1〜2
1
ツリーランドでの会議の翌日。朝焼けに照らされた平原に、十五機もの機兵が並んでいた。
人間からはアズマのドラーク改と、その配下の鉄機兵。量産型はジグと言うらしい。それらを合わせて全部で十機。
一方、エルフは守護機兵部隊。操縦者はブラッドエルフであり、聖樹を離れていても戦える。サシャとニノと新人が後二人。機兵は相変わらずククロアだが、少し改良が成された型だ。
それと──ガルグの新型機。鉄機兵と守護機兵を混ぜて、融合したような姿の機兵。旧エルギアは残骸がベースでやや歪な形状になっていた。だがこの機兵は全体が、効率よく融合されている。
「ほう。ガルグ。その機兵は例の……」
「ああ。王国で造ったフレームだ。名前はエルギアのまんまだけどな」
ガルグはアズマに聞かれて言った。
新エルギアは人間の造ったフレームを元に造られている。それを旧型の時と同様に、大聖樹の力で機兵とした。
更にエルギアのコクピットには──
「ガルグ様。ありがとうございます」
「言うな。お前は道案内だ」
リリエラも共に乗っていた。
「それよりそろそろ時間だぞ。おいアズマ。さっさと号令しろ」
ガルグはゆるりとだらけて言った。
「ふ。断る」
だが直ぐ断られた。
「は? なんでだよ?」
「お前に任せる。機兵部隊の指揮はお前が執れ。既に王の了解は取ってある」
ガルグが聞くと、アズマが応えた。
確かに彼にも一理ある。ガルグはハーフ、つまり中間だ。エルフにも人間にも属さない。この種族混成部隊の指揮を執るならガルグが適任だろう。
それにガルグは敵を知っている。
「お前なあ。後で覚えておけよ?」
ガルグは仕方なく、同意した。
そして部隊に号令をかける。
「聞け! ツリーランドの兵士達! ようやく平和になった俺達の、国の隣に悪魔が現れた! ゼイガスは高慢かつ破壊的! そして何よりも差別的である! 彼等のような者が上に立てば、社会は混乱を極めるだろう!」
一応ガルグなりの言い方で。
「よって今から俺達は奴らを、撃破して民の生活を守る! そして隣国の人々も救う! 行くぞ、てめえら! 戦争だ!」
ガルグは嫌々言い切った。
すると仲間から「おー!」とか「わー!」とか「やー!」とか色々、歓声が上がる。
そして機兵部隊が歩き出す。大地を揺らし、風を裂き、共和国軍が勇壮に──敵地へと向かい旅立った。
2
同じ頃。ゼイガスの司令官、コールの元にもそれは伝わった。
椅子に腰掛け本を読むコール。その元に声の大きな兵士が、またぞろ駆け寄り報告を上げる。
「報告します! コール司令官! ツリーランドに動きがありました!」
「ふむ。数は?」
「機兵が全十五機! 国境を越えて向かってきます!」
「ふ。動いたか。ならば闘争だ」
コールはその報告を受け取ると、本を閉じ、そして笑って言った。
「兵達に告げよ。レグスを落とす。三方向から同時に攻めよ」
そしてコールは兵に指示を出した。
「は? ですが、数では不利ですが……」
「辿り着かれれば、確かにそうだ。よってその前に勝負を着ける」
コールはこの事態を予期していた。故に慌てる事も特に無い。
自らも鉄機兵に乗り込んで、レグス王国の首都へと向かう。
「ふふ。スマートに終わらせようか」
その途中にコールは呟いた。
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追記:エルギアMk2の挿絵を入れました。こちらの感想もお待ちしてます。




