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二章 プロローグ
道すらも見えない新月の夜。遠く、炎が蛍のように、光っては闇に溶けて消えていく。レグス王国は今まさに、戦火の真っただ中に居た。
「姫様。お早く」
その闇に紛れ一人の少女が現れた。騎士に姫と呼ばれたその少女。
「バイクではなく馬で行くのですか?」
「馬なら魔力を発しませんので」
少女は騎士に馬へと乗せられた。
彼女はまだ戸惑っている。が、非常事態では仕方ない。
「さあお早く! 長くは持ちません」
「わかりました。援軍は必ず……!」
姫と呼ばれた少女は馬を駆り、暗闇の中に走り出す。
その姿は直ぐ闇に紛れ込み、蹄の音も遠ざかって消えた。
「姫様。ご無事で」
騎士はその、闇に敬礼しその場を去った。
プロローグなので超短いです。
一話から通常ペースにします。




