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装虹のエルギア  作者: 谷橋ウナギ
第一章『回帰』

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第十話 シーン5



 ここは王国の最高権威。レイランド王城──接見の間。

 だがその元に刃が迫る今、大きな混乱に陥っていた。まだ王は玉座に座っているが、その膝はガクガクと揺れている。

 そして彼を挟んでフレイドが、アズマに怒りをぶちまけた。


「アズマ! 貴様この責任をどう……!」

「私の言葉を無視したからだ」


 だがアズマだけは冷静だった。

 アズマは現在起きていることを、九割方予見していたからだ。


「王。こうなれば仕方ありません。王だけでも先にお逃げください」


 アズマは国王に向かって言った。

 そして今度は横のフレイドに。


「フレイド。貴様の鉄機兵、バラノアは格納庫で寝ているな? 私にバレないとでも思ったか?」


 アズマはフレイドがフレイド用に、機兵を作ったことを知っていた。それも国王に秘密でだ。

 だがそれを責めるつもりなどは無い。


「貴様は王を連れてアレで逃げろ。その間私は時間を稼ぐ」


 アズマの提案は明快だった。

 すると王はそれを聞いた瞬間、目の色を変えてすがりつく。


「アズマ! 助かる! さあフレイドよ! ぐずぐずせずに早く逃げるのだ!」


 その判断は軟弱極まるが、同時に至極まっとうなものだ。

 国王が倒れれば、国は負ける。それが戦争と言う物である。それはフレイドにも否定出来ない。


「アズマ……何を企んでいる?」


 故にアズマのことを疑っても──


「私は王を案じているだけだ。フレイド。貴様とは違うのだよ」


 アズマの正論には打ち勝てない。

 それにフレイドの性格だ。自身も逃げ出したいはずである。


「良いだろう。国王、まいりましょうぞ」

「うむ。レイランド王国は決して、お前達の献身を忘れんぞ!」


 結局フレイドと王は連れ立ち、玉座の裏側へと逃げ去った。

 アズマは──それを見送った直後、翻し逆の方に歩き出す。


 ===============


 そしてアズマは王城前にある、広場に──颯爽と現れた。セレモニーなどに使うため、その広場は中々に広大だ。

 だが今は鉄機兵が一機だけ、その中で膝をついている。灰色の布を全身に被り姿を隠した鉄機兵。


「ドラーゼンの調整は終わったか?」


 アズマはその鉄機兵ドラーゼン、それを調整中の技師へと聞いた。

 彼はまだ若い青年で、ゴーグルとツナギを身につけている。


「騎士団長!? いえ、わかりませんよ。テストも無く出撃するなんて……」


 その技師はアズマに向けて返した。

 技師とは皆、正直であるものだ。だからこそ技師が務まるのである。


「ふ。だろう。だが貴様らのことだ。私が勝手に信用している」


 アズマは笑いながらそう言うと、コクピットに魔法で飛び乗った。しゃがんでいても数メートルあるが、アズマなら特に問題等無い。

 ハッチを閉じるとモニターが光り、鉄機兵ドラーゼンが起動する。そして灰色の布を取り払い、その全体を天の下に晒す。

 赤い装甲を輝かせ、巨大な剣を担ぐその威容。


「潰れたくなくば貴様も逃げろ。この場所も間も無く戦場となる」


 その中で、アズマは技師に言った。


「は! アズマ団長もお気をつけて!」


 すると技師は敬礼を一つして、全速力で街へと駆けていく。

 アズマはその姿を見送ると、眼下に広がる景色を眺めた。王城は高い場所に立っており、街の全体が見渡せる。

 敗北し、倒れた鉄機兵。そして三機のエルフ側の機兵。


「ふ。やはり来たか。そうこなくてはな」


 その中の一機。エルギアを見つけ、アズマは笑いながらそう言った。


用事でアップが少し遅れましたー。

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