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学園生活

 魔法学園に入学して一ヶ月が経った。


 学業の方は順調だ。

 私ってば、魔法の腕はそれなりにいい方なのね。


 まあ、子供の頃から家庭教師がついてくれてたので、当たり前と言えば当たり前なんだけど。


 吸血鬼なので魔力も多いし。


 吸血鬼含め、この世界には『亜人種』というのが存在している。

 エルフとかドワーフとか、獣人とかフェアリーとか、いろいろ。

 彼らは総じて、普通の人間より数が少ないけど、魔力を豊富に持っている。

 それで、種族間のパワーバランスが保たれてきたらしい。


 しかし、長い歴史の間には差別やら対立やらもあったみたいで。

 それが私の学園生活にもちょっとした問題を起こしている。


 友達ができないのだ。


 なんかね? 女の子がみんな私から遠ざかるんです。


 単純に、吸血鬼だから嫌われてるってわけじゃない。

 調べてみたけど、過去には吸血鬼だけど生徒会長やった先輩とかいたみたいだし。


 公爵令嬢だから遠慮されてるってわけでもない。

 同じ公爵令嬢で、みんなと仲良く過ごしている人もいる。


 吸血鬼で公爵令嬢、という合わせ技がよろしくないらしい。

 貴族と人種間の、微妙なパワーバランスがあるみたいだ。

 私には複雑すぎてよくわからないけど。


 じゃあなに。

 ブラドフィリア家の令嬢として入学した時点で、この状況は決まってたわけ?

 ひどい!

 こうなったら手当たり次第に血を吸ってやろうか!


 ……まあやらないけどさ。


 とにかくそんな状況。


 なので、血を吸う相手探しもさぞ難航しているかと思いきや、そちらはそうでもないのでした。


 なんですかね。

 男の子は欲望に忠実なんですかね。


 私が吸血鬼とか公爵令嬢とか関係なく、男子生徒がやたらに声をかけてくる。

 授業のとき横に座ってきたり。

 食事時に同席してきたり。

 散歩していると数人で声をかけてきたりもする。


 うーん、なんか複雑な気分。


 一ヶ月も経つと気が緩んで、私は前世と同じような態度と口調になってた。

 ごく普通の女子高校生だ。

 だというのに、前世の私はこんなふうに男の子から声をかけられたりしなかったぞ?


 外見か?

 けっきょくは外見なのか?


 身嗜みはたしかに今のほうが整ってるけど、これ全部二人のメイドがやってくれてるからね。

 私の努力の結果とかじゃ全然ない。


 家柄か?

 けっきょくは家柄なのか?


 まあ、そんなモヤモヤはともかく、男子生徒が避けないでくれてるのはありがたい。

 血を吸う相手を見つけなきゃいけないからね。


 ブラドフィリア家の吸血鬼の制約。

 十七歳の誕生日までに、人から直接血を吸わなければ死んでしまう。

 その相手とは、生涯血を吸い続ける盟約を交わさなければならない。

 そして、たいていの場合はその相手と結婚することになる。


 あと一年ちょっとで私は結婚相手を見つけなきゃいけない。


 今のところ候補は……うーん、微妙かな。


 血をちょっと吸わせていただくくらいならいいかなーって人はいるんだけど、一生添い遂げるとなるとなかなか簡単には選べない。


 まあ、まだ猶予はあるし、慎重に選びましょう。


 ……なんて思ってたら、その日、事件は起きた。


 いきなり、すごい吸血衝動が私を襲ったのだ。

今日はここまで!

続きは明日です。

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