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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第2章メリル動く
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ディアナ・エルネビィとクララ・エドモン

皆、御機嫌よう。


私はディアナ・エルネビィ

侯爵家の長女で現在23歳行き遅れである。


そんな私が今日は宮廷に足を運んでいる。

理由は簡単。


皇帝陛下の妃候補に立候補する為だ。


「快く思われておりませんわねぇ? どうしましょ?」


今隣でのんびりした声を出している女は私の幼馴染。


クララ・エドモン

伯爵家のご息女で彼女も妃候補としてここに来ている。


つまり、私達はライバルだ。一応な。


「そうだなぁ? 嫌がられているし、適当に時間を潰して帰るか?」


「ですわねぇ? お腹空きましたわぁ。何処かでお食事、頂けないのかしらぁ?」


「ここまで足を運んだんだ、それぐらいの待遇を受けてもバチは当たらない。行くぞクララ。飯をゲットだ!」


「まぁ〜ディアナ? 淑女が飯、などと。もっとちゃんと隠して下さいませ? ご飯にありつく前に追い出されていまいますわぁ」


お分り頂けたか?

そう。私達はこんな所までやって来たが、全くやる気がない。群がる女性達を遠目に見ながら、よくやるわー引くわ〜とか思ってた。そもそも皇帝の妃とか面倒だ。絶対嫌だ。


「噂には聞いていたが人少ないなぁ? これで警備は大丈夫なのか?」


「陛下がご無事なら良いのでは? ああ。お腹空いた」


私とクララは結構位の高い貴族だが、家は正直火の車だ。領地を保たせる為に両親は売り払える物は全て売り払いギリギリの生活をしている。


宮廷からの援助もつい最近まで途絶えていた。


まぁ、どこも似たような状態だからな、文句も言えない。


「ん? 子供?」


こんな所に何故子供が? やけに、綺麗な子だな?

どこの貴族の子供だ?


「・・・どうした? 迷子か?」


「・・・・迷子じゃない。お姉さん達、誰?」


おや? もしや、よくここに来る子なのかな?

ヤバイな、怪しまれたか? 騒がれたら面倒だ。


キュルルルルルルルッギュル。


「「・・・・・・・」」


「お腹空いてる?」


ちょっとこれはかなり恥ずかしい。

子供に憐れまれたぞ。どうするクララ?


「そうなの。お姉さん達お腹ペコペコでもう倒れそうなの。貴方お食事を頂ける場所知りません?」


うぉーい! お前凄いな? 相手が子供だろうが構わないのな? お前に恥という概念はないのか?伯爵令嬢殿?


「知ってる。連れてってあげる」


「「え?」」


なんか、手を引かれてるけど大丈夫なのか?

どんどん奥に連れて行かれているが?


ここは、宮廷内の屋敷?いいのか勝手に中に入って。


「あれ? シャミどこ行ってたの? その人達誰?」


ん? 平民? やけに人が多いが、ここはいつから民家に?


「お腹空かせて倒れそうだって。ご飯一緒する」


「あ、あらあら。見た所、貴族のご令嬢では? シャミが誤解したようで申し訳ありません」


いや、誤解じゃないのだが。

どう説明すればいい? お前コレどうするつもりだ?


「腹ペコなのは事実ですわ。そしていい匂いがしておりますわね? 」


「おい? クララ?」


お前なんで流れる様に準備されたテーブルの椅子に腰かけた? まさか、押し通すのか? 嘘だろ?


「ご馳走になりますわ」


「「「・・・・・・」」」


お前は・・・自由だな!!

そんなんだからこんな所まで一人で来させられるんだぞ!

私は巻き込まれていい迷惑だ!!


「・・・申し訳ない。その、色々とこちらにも事情があり、何も食べずにこちらに来たのだ。もし、ご迷惑でなければ、その・・・・」


「あはは! いいよ別に。お父さーん! 二人分追加でご飯作ってぇ」


「メ、メリル様? 宜しいのですか?」


「え? 別にいいじゃない。だけど出たご飯は残さないでね。小綺麗な料理なんて出てこないけど、それで構わないなら食べて行きなよ!私はメリル。ここの屋敷の主人で薬師をしてる。貴女達は?」


さて、どうするか。

まぁ見た限り、何処かの貴族の令嬢ではないし、宮廷内に勤めている薬師なのだろう。大丈夫か。


「私はディアナ・エルネビィ。一応侯爵家の長女だ、そしてこちらがクララ・エドモン。一応・・・伯爵令嬢なんだが・・・まぁ、人がいない所では気安く接してくれて構わない。ただの称号だからな」


「え? そんな位の高い方がこんな所で食事など、大丈夫なのでしょうか?」


「大丈夫だ。そもそもこちらから押しかけて勝手に人の家のテーブルについているのだから。本当に申し訳ない」


「え? あ、いえ・・・メリル様が良いと仰っておられますので・・・お気に為さらず」


「・・・・さっきから、気になっていたのだが。何処かで会ったことないか?」


「え? 私ですか? 申し訳ありません。覚えがありませんが・・・」


ただの侍女だよな?

けれど、何処かで見た覚えがあるのだか・・・気の所為だったか?


「なんだお客様か? いいのか、普通の飯だぞ?」


「あーーー休憩きゅうけ・・・え? 誰ッスか?その可愛い子と美人さんは? ん? ついに俺にも妖精が見える様に?」


「テット。馬鹿言ってないで椅子もう二つ用意して。それを今から聞く所だから」


クララ。クララー! ヨダレヨダレ!

お前本当に食べるの好きだなぁ? お願いだから淑女らしく振舞って欲しい。後のフォローが面倒だからな。


「久し振りのガッツリお肉。お肉がありますわ!」


お前の親も私の親も真面目な人間だからなぁ。

自分達の生活の為にお金をちょろまかそうとか、しないから他の貴族達より苦労するよなぁ。


「・・・・遠慮しなくていいよ? 沢山作ってあるみたいだから、いっぱい食べてね?」


「わーい! いただきますわー!」


「わーい!いただきまーす!」


クララーーー!! 子供がお前の真似してる! 止めろ! 気持ちは分かるがやめて欲しい!!


「ディアナ様もどうぞ。遠慮なさらず」


「ありがとう・・・えっと君は」


「メリル様の侍女のテニアと申します。お見知り置きを」


お気遣い感謝する。・・・うっま!この肉うっま!!

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