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最強薬師は絶対誰にも恋しない  作者: 菁 犬兎
第1章カスバール宮廷
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ベロニカは完治する

最後の薬を飲み終えて次の朝目覚めたら、身体に大きな変化があった。長年鉛を抱えたように重かった身体が、とても軽い。


「おはようベロニカ。具合はどう?」


「え? きゃ!フィクス!」


強制的に部屋をフィクスと同室にされて、どうなることかと思ったけれど、ベットが別のお陰でそれ程寝泊まりは不自由しなかったわ。


ただ、少し緊張はするし、朝こんな風に近くに来られると焦るけれど・・・。


「そ、それが。驚く程身体が軽いの。明らかな変化が見られる」


「最後の薬を飲めば治るってメリル言ってたからな? もしかして治ったかな?」


そうだといいけど。

皆に迷惑をかけて、こんな所まで来てもらったのだもの。治らなきゃ困るわ。でも、どうしよう。


「ん? 何?」


「あ、あの、フィクス近いわよ。少し離れて。着替えたいの」


「ああ、そっか? ごめん」


治った後の事まだ決めてなかったわ。

私、実は自分の体の事諦めていたの。残りの人生はカスバールで過ごそうかと思っていたのだけれど・・・・。

見事に見透かされてフィクスに監視、されているわ。

これは逃げられないし、もう逃げる理由も特にないわね。


でも、身体が楽になるにつれて余裕が出て来た分、余計な事を考えてしまうの。


フィクスは何故、私にここまでするのかしら。


「着替え終わった?」


「え? ええ。今行くわ」


フィクスは、サウジスカルの首都サンチコアの宿舎で暮らしている騎士で伯爵家の長男。エリートってやつかしら?


本来なら平民で元捕虜でもある私なんかの付き添いに付いて来ていい人ではない。デズロ様とエルハド様が再びカスバールに同行した理由もそこにあると思う。デズロの様達の護衛なら言い訳が立つもの。


「・・・こちらの服を着るとやっぱりイメージ変わるな。可愛い」


「・・・・・か、揶揄わないでよ。もう」


そんな筈、ないと思う。だってこの人はティファの事が好きなのよ? きっと私がティファにとって少しだけ特別だから、こんな事しているだけなのだわ。


「こっちに来て。昨日もベロニカ俺から離れて男に声かけられてだろ? 今日は離れないから」


「あ、あの、フィクス。それ、いい加減やめない?」


「何を?」


「わ、私もう一人でいても平気なぐらい回復したわ。男一人ぐらいなら私でも返り討ちに出来る。そんなに心配しなくても・・・・」


フィクス? な、なんなの? ち、近い! 顔が近いわ!!


「そうなんだ? じゃあ返り討ちにしてみなよ」


「え?」


フィクス? フィク・・・え?


ちょっと待って?

これは一体何が起きてるの?

フィクスの、顔が至近距離にっ・・・いえ、それよりも私今この人に、キ、キスされてるの?


なんで? 全然わからない。この人なんなの? なんで私にこんな事するの? しかも手慣れてて腹立つわ!


「・・・・ベロニカ、ベロニカ。ごめん怖がらせた?」


「べ、別に怖がってなんてないわ! 離して!」


なんで強く抱きしめるの! 苦しい! く、苦しいし、あまりくっついていると、フィクスの香りとか呼吸音とか、肌の熱さとか色々伝わって来て私、おかしくなりそう。


「ベロニカ、俺の事嫌い?」


き、嫌い? 何それ。なんでそんな話になるのよ!

そ、それに折角回復したのに私息が止まりそうなの!

お願いだからもう離して!


「ベロニカ。俺以外の男と仲良くしないで欲しい」


・・・・私、そこまで鈍くない方だと思う。

これは、そういう意味よね? でも、何度も何度も疑問に思って打ち消した考えよ? だってフィクスは・・・。


「俺、ベロニカが好きなんだ。誰にも渡したくない」


「無理! 絶対駄目! 貴方貴族のご子息でしょう? 何言ってるの? 冗談は程々にして!!」


いけない。思わず叫んでしまったわ。恥ずかしい。

も、もうフィクスと目が合わせられない!!お願い今すぐその手を離して私を解放して!


「俺が貴族でベロニカが平民だから駄目なの?」


「そ、そうよ! どう考えても釣り合わないし、貴方となんて結婚出来ないから!!」


「・・・・フーン。じゃあ俺が貴族じゃなければ考えた?」


いや、貴方は貴族なんだからそんな事考えないわ!


「俺自身の事は、好きなのか?」


「変な事聞かないでよ! なんなの本当に! 離して!」


「ちゃんと答えてベロニカ。結婚とか関係なく、俺の事男として意識してる? 俺は、ベロニカの恋愛対象になり得るのか?」


か・お・を・近付けないでぇえええ!

お願い! これ以上はもう無理! 本当はさっきのキスで、すでに私のキャパは振り切れているわ! もう許して!


「そう? じゃあ認めるまでキスするけど? いい?」


え? え、ええええ? 嘘、無理。フィクス本当に無理。


「やめて! 認める、認めるから! 意識してるわ!フィクスの事、異性として意識してる!」


「・・・・なんか、無理矢理言わせたみたいになって不服だけど。じゃあ、正式に交際を申し込んでいい?」


「それは駄目! 受け入れられない!!」


「なんで? ベロニカさぁ・・・」


何? 何を言うつもりなの?

これ以上私を混乱させる様な事言わないで欲しいわ。


「俺の事、好きだろ?」


ギャーーーーーーー!!腹立つーーーー!!

絶対この人となんて付き合わないぃぃ!!

[最強騎士は料理が作りたい]

をお読みになった方ならお馴染みのこの二人。

さて、ベロニカはどの段階でフィクスの事が好きだったと思いますか? ふふふ。

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